革新的連携。保険業界のパイオニアが手を繋いだ日
革新的連携。保険業界のパイオニアが手を繋いだ日

回想

2001年4月。僕は某カタカナ生保を退社し乗合保険代理店として起業、その翌年から本格的に規模拡大に向けたアクションを起こした。元々自らが保険販売を行いながら生計を立てていくという発想はなく、全国展開規模拡大モデルを想定しての独立だった。初めて作った自社ホームページの事業内容の一番上は、敢えて生損保代理店とはせず、「保険事業独立支援システムの開発と運営」とした。1社専属で活躍している保険募集人達の、次の成功ステージをサポートする会社を創りたかったからだ。

その上で必ず必要だと思っていたのが顧客管理システムだった。顧客ニーズを深く理解したうえで、複数保険会社の商品からベストな提案をすることは1社のみの提案より間違いなく差別化になるという確信はあった。だが、1人の顧客に対して加入されている複数保険会社の商品を把握し、管理することは容易ではないことも予測できた。本来の納品(支払時や保全)時に正確性に欠けたり、調べるまでに時間がかかってしまうことは避けないといけないと思った。

当時は乗合保険代理業という業態の勃興期でもあり、僕の満足度を満たすだけの市販システムは存在しなかったので自社開発に踏み切ることにした。創業間もない会社に金は無かった。個人的にも暫くは会社から報酬を取らず、生活費は生命保険の契約者貸付けで賄っていたくらいなので個人的にも金は無かった(この契約者貸付けを完済するまでに10年以上かかった(笑))。

それでも僕は、「これから日本の保険業界は乗合が主流になるはずだ。これからどんどん乗合代理店が増えだし、どの代理店に所属するかの競争が激しくなっていくに違いない。その際を見据えた参入障壁としても、顧客満足を落とさないためにも、顧客管理システムの開発は必須条件だ。」と思った。

銀行から資金調達できるだけの信頼度はまだ無かったので、ベンチャーキャピタルにプレゼンし、1億数千万円を調達。その資金をすべてシステム開発にぶち込んだ(この狂気ぶり?に愛想をつかしたのか当時の役員はじめ多くの創業メンバーが去っていった(笑))

追加開発を繰り返しながら自社のインフラとして機能したことを受け、これから乗合保険代理店に参入する経営者たちにも自社システムを開放しようと外販にも乗り出した。

それから約14年。弊社のCSB(カスタマーサティスファクション・バックアップシステム)は日々数千人の保険募集人に活用されるまでになった。

業界の変遷

起業してから18年、システム開発してからの14年。目まぐるしく業界は変わってきた。来店型ショップ、ネット生保の台頭。委託型募集人の適正化。改正保険業法の施行。顧客本位の業務運営方針の宣言とKPI化。大手生保による乗合代理店の買収合戦。インシュアテックへの期待と不安。損金性商品の経理処理の変更。品質手数料の導入等々。

特にここ数年の変化は激しい。

もはや過去の成功体験の延長線上には成功は無く、あらゆる変化にどう対応していくか、そのスピードと独自性、確固たるビジョンや、そのビジョンに共感した者同志の合従連衡も含めた持続性の確保が必要な時代になったのだ。

そしてこの度。

今年の漢字に「令」が発表された12月12日、平成14年に乗合保険代理店として初めて株式公開された東証一部上場企業のアドバンスクリエイトさんとのシステム連携がプレスリリースされた。

システム連携の概要

弊社の顧客情報活用システムCSBとアドクリ社の申込共通プラットフォームシステム「丁稚(DECHI)」とをAPI連携したのだ。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000621.000004608.html

概要は以下の通り。

『■ 丁稚(DECHI)とCSBのデータ連携による効果
顧客情報活用システム「CSB」に入力された顧客基本情報が申込共通プラットフォームシステム「丁稚(DECHI)」を通じて、複数保険会社のシステムに連携されます。これにより、保険契約の設計書や申込書の作成において、保険代理店やお客様の事務負担の大幅な軽減を実現いたします。

■ 申込共通プラットフォームシステム「丁稚(DECHI)」の概要
複数の保険会社の保険商品を申込む際に、一度顧客情報を入力すれば、「丁稚(DECHI)」と連携されている複数の保険会社のシステムにその顧客情報が自動的に反映されるようになります。 したがって、保険申込手続きの効率化が実現し、複数の保険会社に商品を申込む際にもお客様が何度も同じ情報を記入・入力する手間と時間が大きく削減されます。
また、申込対応を行う乗合代理店にとりましても、一度の記入で手続きが済むことになりますので、記入間違いや申込手続き事務の負担が大幅に軽減・改善されます。

■ 顧客情報活用システム「CSB」の概要
LTVの「CSB」は、広域乗合代理店ホロスプランニングの現場が10 年かけて熟成させた、【保全】と【マーケティング】をサポートするシステムです。共同GWを通じたデータ提供による情報の自動更新・管理ができるほか、証跡保管(面談履歴・意向把握等)や、ライフプラン情報の登録・リマインドも簡単に行うことができますので、単なる情報管理システムではなく、保険代理店の現場と経営を支援いたします。

■ 今後の展開
今後、当社とLTVは、CSBをすでに導入されている乗合代理店へ、丁稚(DECHI)の導入を促進することにより、顧客満足度の向上と保険代理店の持続的な成長・発展に寄与してまいります。』

要するに。

両社が手を組むことで、乗合保険募集人はマーケティングから意向把握、保険設計から契約申込手続き、そして保全までを一気通貫で効率的に管理することが実現したのだ。

パイオニア連携の意義

実は。

遡ること2か月前の2019年10月8日、弊社はマザーズ市場に上場されている保険代理店アイリックコーポレーションさんが開発されている保険申込ナビシステム『AS-BOX』ともシステム連携を開始し、プレスリリースをしている(弊社システムをハブにすれば3社のシステムが連携)。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000548.000001256.html

アドバンスクリエイトさんは保険代理業における通販(ダイレクトマーケティング)のパイオニア。

アイリックコーポレーションさんは来店型保険ショップのパイオニア。

不肖弊社(ホロスプランニング)は訪問型乗合代理店のパイオニアと自負している。

独自のビジネスモデルを構築しながら乗合代理店の歴史を作ってきた3社が。

募集現場を日々体感しながら業務の改善をはかってきた3社が。

その3社が3様に開発してきたシステムが、今後更なる連携をしながら顧客満足度の向上と代理店経営の効率化に寄与できるとすれば、それは極めて意義のあることではないかと思うのですよ。

まとめ

金融業界、保険業界は顧客本位の業務運営を徹底していくという流れと、そのためのテクノロジーの活用はもう変えようが無い現実だ。この流れに抗おうとするならば最早撤退するしか他に道はないのだ。

しかし、限られたリソース(ヒトモノカネ)の中で自社ですべてをカバーできる代理店がどれだけあるのかと言えば、それはほんの一握りであり、弊社とてその一握りには入っていないと言える。

だから。

乗合保険代理業の更なる持続的な成長・発展に寄与していこうという、志がある事業体が手を組むことは、これからも充分起こり得ることであり、むしろ積極的な合従連衡が保険会社をも巻き込みながら進んでいくのではないでしょうか。

なお。

申込共通プラットフォームシステム「丁稚(DECHI)」は無料試用期間を設けていますので、是非試しに使ってみられてはいかがでしょうか。

ご興味ある乗合保険代理店の方はこの機会に是非お問合せください↓

https://ltv-hoken.smktg.jp/public/application/add/37

 

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