「よし、昨日はよく寝られた!」
日曜日の朝。今日は久しぶりの休日だ。聡は朝起きるとまず手首に巻いているウェアラブルセンサーをチェックするのがもう習慣になっていた。50代までのビジネスパーソンはウェラブルセンサーを装着しているのは当たり前。睡眠、食事、運動をすべてデータベース化し、健康年齢を下げるための処方箋が毎日配信される。聡は今年で48歳になるが、健康年齢は43歳、これを30代にまで下げるのがささやかな目標だ。このウェラブルセンサーは保険契約時に行きつけの保険代理店から無償で提供されたものだ。
保険会社のビジネスモデルはここ数年で飛躍的に進化した。今では車は自動運転化が進み、人為的な交通事故はほぼ無くなり、自動車保険は自動運転保険に姿を変えつつあった。世界に先駆けて少子高齢化が進む日本国の保険会社の軸足は既に人口増加が著しい新興国市場に移動しており、国内はヘルスケア事業と一体化したビジネスモデルに変化したのだ。
それにしても働き方も随分変わったものだ。今では副業は当たり前。何しろ2007年に日本に生まれた子どもの50%は107歳まで生きるといわれる時代だ。平均寿命は100歳に近づき、まさにライフシフトが起こったのだ。教育の時代、就業の時代、老後の時代という3ステージモデルからマルチステージモデルへと変わり、更にシェアリングエコノミー(個人が保有している遊休資産の貸出を仲介するサービス)という考え方が働き方まで変えている。
聡は普段は上場企業のエンジニアとして働いているが、空き時間を利用して中小企業のITコンサルを2社引き受けながら民泊斡旋サービスのAirbnbを3部屋運営している。今日は行きつけの保険ショップに行く日。半年に一度の定期診断の日だ。因みにこの店では去年からロボットも一体設置されている。1店舗に2人の人間と1体のロボットが標準店のパターンのようだ。顧客はどちらでも選択できるが聡は年齢的なものか、まだロボットよりリアルな人の価値を重要視していた。
保険業界も大きく変わった。10年前に保険業法が改正され、一時は保険営業マンは全員雇用が原則となり、その直後には潜脱代理店が横行したが、今では一掃され、その後一定条件の下でインデペンデント(独立)なエージェントという立場が採用されていた。
続きは堀井計の午睡へ→http://www.holos.jp/holostyle/?t=1299
今年も独断と偏見に満ち満ちたブログを死なない限り継続していくつもりですので、皆さま、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
byケーホリー