カウントダウン。果たして保険業法改正は業界に如何ほどのインパクトを与えるのか。

いよいよあと4日で保険業法が変わります。それに伴いここ最近保険業法改正の記事が新聞紙面を賑わせていますね。銀行における手数料開示を金融庁が断念したとか来店型ショップが今まで手数料の多い商品を売っていたので規制を入れるとか。消費者にとってわかりやすく、かつ影響のありそうなところを抽出するとそういう表現になるのでしょう。

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いずれにせよ、今般の規制強化は保険業界にとってはかなりのインパクトがあるのは事実です。代理店の収益の源泉である販売手数料が確実に減るかどうかはわかりませんが、減る可能性は極めて高く、かつ体制整備義務の導入によりコストは確実に増加します。つまり売り上げが減って販管費は上がるわけですから企業の存続が危ぶまれる代理店はそれなりの数があると思われます。

そもそも代理店の数が多すぎるという話もあります。今国内の代理店数(損保代理店)は約20万店と言われています。これはコンビニの数の4倍。マーケットサイズは推定でコンビニの半分(コンビニ約10兆円に対し、代理店は5兆円弱くらいかと)

法改正のインパクトですが、隣接業界の消費者金融でかつて貸金業法改正があったときには、当時約4万7500店あったものが今では2195店に減少し、怪しい中小の街金はすっかり姿を消して今ではほとんどが大手金融機関の傘下で業が営まれています(実に20分の1)氷河期に恐竜やマンモスなどの大型動物が絶滅したように、大きな環境変化は、法改正含め、その変化に適応できない生物(組織)は絶滅していく運命にあるということです。

体制整備義務は規模特性に応じた体制を整備することではあるものの、それは会社の存続できる範疇でやりなさいということでは決してありません。

現状の組織の規模や特性に鑑み、あるべき体制を整わせるリソースがなければ、それは資金を調達し、人を雇用し、教育を施し、システム投資をしてでもやるのか、それができなければ規模を縮小しシンプルな体制でも管理できるように組織を見直すか、もしくはどこかの代理店に売却してこの難局を乗り切るのか、そんなかなりドラスティックな意思決定をする必要に迫られる時が早晩訪れるのではないかと思っています。

つまり。

これは経営者も募集人も「お金」の問題ではなく「覚悟」の問題なのです。3年先5年先の保険代理店業界の景色は今とは全く違う景色になっているかもしれません。その景色の中に自社の看板が色鮮やかにかかっているのか、そしてその中で自社の募集人が活き活きと働いている姿がイメージできるかどうか、それは今般の法改正の意図や目的を理解し、本気で経営者が変わろうと意識し、行動するかどうかにかかっているのです。

保険代理店の皆さん、来週の月曜日に出社したら管轄の財務局が会社の前で待機されているかもしれません。これからは直接入検が規模に関係なく行われるのですから。乗合代理店はここ15年で急成長してきた新しい業態です。人間の身体も成長期には成長痛が伴います。その痛みを乗り越え、少年は大人になるのです(笑)企業もその成長スピードに管理体制が伴わず、ひずみをきたし、崩壊の危機に直面することも多々あります(弊社も経験しました)それもなんとかかんとかして乗り越えた企業のみがその踊り場を抜け、更なる成長軌道に乗ることができるのです。

ということで、乗合代理店の皆さん、僕たちは今まで怖いもの知らずの少年でした。皆で成長痛を乗り越えてカッコいい大人に変身しようではありませんか。きっとその先には、大人でしか味わえない素晴らしい世界が待っているはずです。そして僕たちの手で未来の少年少女が憧れる業界にしていこうではありませんか(オーッ!)

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