アドラーの教え。嫌われる勇気がないならせめて「今ここ」に集中するのだ。

6月14日
ここ数日、何人かの社員から「お疲れですね」と言われました。
確かに少々お疲れ気味ではあるのですが、それを指摘されることは嬉しくも有り情けなくも有り。何が嬉しいかと言うと少なからず関心を持ってもらっているんだなと実感できること。人は自分に関心を持ってくれている人がいることを実感した時に倖せを感じるのではないでしょうか(ちょっと病んでいる?)。それとそれを曲がりなりにも会長という立場の私に社員がちゃんと口に出して言ってくれること。上下関係を気にせず気軽に指摘してもらえる風土ができてることを嬉しいと感じるのです。
一方情けないことは、やはり疲れた表情を見せてしまっている自分自身に対して。この時期は当社の決算が迫っていること、中期計画を策定することに加え、今保険業界は委任型募集人の適正化という大きなうねりの中で、新制度の説明会や個別面談で全国を回っており、手取りが下がったり、このままでは雇用ができない状況のプランナーさんたちとのコミュニケーションはある意味生活を賭けた話し合いでもあり、真摯に向き合えば向き合う程相当にエネルギーを使うことになります。更にこれは200人以上のヒトタチを雇用することで変化する経営数値との葛藤であり、かじ取りを間違うと船そのものが傾くリスクも孕んでいるのでさすがにストレス耐性が強い私(単なるKY?)もその辺りが顔に出てしまっているのかもしれません。
そんなこんなでブログ更新も本を読む頻度も減少気味だったのですが、久しぶりに読んだのが「嫌われる勇気 自己啓発の源流アドラーの教え」。
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一応これでも心理カウンセラーの端くれなのでアドラーのことは昔少し勉強したことはありましたがすっかり忘れていました。この本はアドラーの教えを対話形式で解説されているのでとてもわかりやすかったです。因みに心理学の世界ではフロイトやユングがあまりにも有名なのですが、彼らの学説とは少しアプローチが違います。彼らはトラウマや潜在意識など、人生は過去の体験や感情に影響される因果律?を説いているのに対し、アドラーは原因ではなく目的にスポットを当てています。以下は私の備忘録の抜粋の抜粋です。
『全ての悩みは対人関係の悩み。人は今この瞬間から変われるし、幸福になることができる。問題は能力では無く勇気なのだ(アドラーは勇気の心理学)
・大切なのは何が与えられているかでは無く、与えられたものをどう使うかだ。
・人は対人関係のなかで「私は正しいのだ」と確信した瞬間、すでに権力争いに足を踏み入れている。
・アドラー心理学では、他者から承認を求めることを否定する。我々は他者の期待を満たすために生きている のではない。他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると最終的には他者の人生を生き ることになる。
・自由とは他者から嫌われることである。他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを怖れず、承認さ れないかもしれないというコストを支払わない限り、自分の生き方を貫くことはできない。つまり自由にな れない。
・対人関係のゴールは「共同体感覚」(他者を仲間だとみなし、そこに自分の居場所があると感じられるこ  と)
・自己肯定と自己受容は違う。
 自己肯定→できもしないのに私はできる、私は強いと自らに暗示をかけること。
 自己受容→できない自分をありのままに受入れ、できるようになるべく前に進んでいくこと。→肯定的なあきらめ。
「神よ、願わくばわたしに、変えることのできない物事を受け入れる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを常に見分ける知恵とをさずけたまえ(ニーバーの祈り)
・信頼とは、他者を信じるにあたって、いっさいの条件をつけないこと。
・他者貢献とは、わたしを捨てて誰かに尽くすことではなく、むしろ私の価値を実感するためにこそなされる もの。
・人生とは連続する刹那である。
・人生全体にうすらぼんやりととした光を当てているから過去や未来が見えてしまう。もし「いまここ」に強 烈なスポットライトを当てていたら、過去も未来も見えなくなる。今ここに真剣に生きる。人生における最 大の嘘、それは「今ここ」を生きないこと。
・他者に貢献するのだ、という「導きの星」さえ見失わなければ迷うことは無いし、何をしてもイイ。もし判 断に迷った時は、より大きな集団の利益を優先することだ。自分より仲間たち。仲間たちよりも社会全体。 そうすれば判断を間違うことはないだろう。』

ま、興味ある方は是非本を買って読んでください。
「疲れてる」とご心配いただいている少数の皆さん。関心を持ってくれて本当にありがとう。
それだけで私は倖せです。この歳になっても「嫌われる勇気」は中々持てない未熟な私です。今まで失敗もたくさんしてきましたが、たくさんのチャレンジをしてきたのだと自己受容し、これからも過去を振返って下を見るでは無く、未来に想いを馳せすぎて上を向きすぎるのでもなく、「今ここ」に全力を注ぎしっかり前を向いて前進していきますのでどうかこれからもよろしくお願いしますね。
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