3月2日
日本初の本格格安航空会社(LCC)「ピーチ・アビエーション」が就航しましたね。
ただ単に「移動するための乗り物」と割り切れば確かに安い(時間も同じ)
この移動手段としての乗り物という概念に、空間価値(ゆとり度)や人によるホスピタリティ性(心の満足度)を求めるヒトはLCCを利用しない可能性はありますが、兎に角シンプルに安けりゃいいならそれなりの需要はあるでしょう。
そして企業にとっては、いわゆるディスカウント戦略で市場に打って出るために、利益率を抑えて価格を下げるわけですから、相当なローコストオペレーションが必要ですし、かといって赤字を垂れ流して経営を継続することは不可能ですから一定の利益を確保することも必定です。
ただ航空、鉄道含め国内旅客輸送業界は間違いなく今回の新規競合の参入により、生き残りをかけて知恵を振り絞り、切磋琢磨して差別化をはかることになるわけですから。
結果顧客は選択肢が広がり、個々の価値基準に合う交通手段を選べるメリットはあるわけです。
保険業界然り。
最近はネット生保の台頭により、条件次第では保険料が安く入れるものもあり、お客様にとっての選択肢が広がりました。
ですが、基本保険は金融庁の認可商品なのでLCCほどのインパクトはありません。
また、値引きして売ることもできませんので(保険業法で決まっています)同一条件(年齢、性別など)同一商品なら加入する店によって保険料が異なることはありません。
実はこの値引きをする必要が無いビジネスというのは極めて恵まれている業界だと思うわけです。
かつてワタスは流通革命を起こしたことで一世を風靡した大手流通業で働いていたころ、顧客満足の方程式とは、
「顧客満足=(品質+付加価値)÷価格」
と教わりました。
つまり、良い商品に行き届いたサービス(気の利いた接客やアフターサービス)を足した上で価格で割るということは、価格のインパクトが顧客の購買意思決定においてかなり大きいということです。
((A+B)÷C→(1+1)÷1=2<(2+1)÷1=3<(1+1)÷0.5=4 )
その価格を考慮しないでも良いだけでなく、品質(保険商品)もメーカーの商品を複数扱うことができる乗合代理店ならどこもあまり品揃えは変わらないわけですから、この方程式を則るなら「付加価値」の高さ=顧客満足となるわけです。
どうです?価格と品質を気にすることなく付加価値だけで勝負させて貰える保険業界って恵まれていると思いませんか?
ではこの「付加価値」とは何なのかということと。
そしてもう一つ見落としてはいけないことがあります。
一般の流通業界は価格戦略を取るために仕入れる量を増やします。スケールメリットを効かしてメーカーとの交渉力を持ち、仕入れコストを下げるからこそ、お客様に価格メリットを提供できるわけです。だからこそ大型店の出店や多店舗展開が必要なのです。
実は保険業界も今代理店は急速なスピードで大型化が進んでいます。
これは一般流通業同様、スケールメリットを効かすことが目的なのですが、異なるのは、誤解を恐れずに言うなら保険会社からいただける手数料率を高めるために組織拡大を図っているのです(小規模保険代理店はどんどん廃業に追い込まれていくのが実情です)
それによりお客様の保険料率を安くするという直接的な価格メリットで還元できるものではないということです。
要は、お客様に還元できることに「価格」はなく「付加価値」の部分しかないのです。
「組織を拡大することで得た利益を何に投資すれば付加価値となり顧客満足が上がるのか」
保険業界ではないブログ読者の方、要は純粋な保険加入者の方はどんな付加価値があれば嬉しいですか?
保険業界の方はいかがですか?
(業界外の方に敢えてお伝えしますと、大きな物品のプレゼントは「特別な利益の提供」となり値引きにあたるので禁止されています)
ワタス的には。
まず永続的なサポート体制を構築するためには企業が存続しないとダメなのでしっかり内部留保をしておくこと。
そして何より「人質向上」に投資すること。
この事業の付加価値=人質といっても過言ではないでしょう。
お客さまが当初抱いていた期待値を超えて、感動してもらえるまで質を高めること。具体的にはコンサルティング力やコミュニケーション力、コンプライアンス力を向上するための投資をすること。
加えて雑務を軽減し業務効率を高め、お客さまとの接点に時間を持てる体制を作るためのシステム投資やお客様とのコミュニケーションを代行できるサービス構築に投資することではないかと思うわけです。
「我々はお客様への付加価値を上げるために組織を拡大しているんだ」
再度肝に銘じたいと思います。
ピーチ搭乗の際の隣座席は綺麗な女性をと期待に胸膨らませる変態社長に鉄槌の↓を
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