遺言。企業文化が根付かなければすべての人材投資は無駄になる
遺言。企業文化が根付かなければすべての人材投資は無駄になる

哀悼

今週大学時代のクラブの同級生が急逝しました。先々週に後輩のお母さんが亡くなった葬儀の場で久しぶりに会った時には元気にしていたにも関わらずです。別れ際に「死ぬなよ」と冗談で交じりで言った時には笑いながら「おう!」と返事してから10日しか経っていません。恐らく遺言を書く暇は無かったのではないでしょうか。残念で仕方ありません。謹んで、謹んでお悔やみを申し上げます。

ところで。

先週から今週にかけては弊社恒例のカンファレンスでした。

HOLOSカンファレンスとは

創業以来17年間、まだ数人の規模の時から始めたこのイベントも、今回で36回を数えました。当初は4半期に1回のペースだったのが規模拡大とともに半期に1回となり、その後全国展開に伴い、春のカンファレンスは各エリアに経営とスタッフが赴く方針になりましたが、一貫して拘ってきたのがそのコンセプト。

それは「VISION(方向性の共有)」「OPEN(情報開示)」、「CULTURE(文化の醸成)」。

当時はまだ委託型募集人のみの組織で、1社専属の保険会社のプランナーから独立的に乗合代理店に加わる募集人は、所属する代理店を「共同仕入れ」的組織として籍を置くという感覚が強く、どこの代理店「一番取扱保険会社数が多く、かつ手取りが多いか」を比較検討して決めるのが一般的でした(今でもその名残で社会保険を潜脱している代理店に人が動くという事態が収まりません・・)つまり、その代理店に対する帰属意識はあまりなく、所属する代理店は単なる商品を仕入れる問屋であり、あくまで「売り」は自分。顧客にも敢えて所属する代理店名も告げないという募集人も珍しくなかった時代です。

『フルコミッション(完全歩合)の募集人にとって「売りは自分」というのは当然だし、そうでなければ生き残れない仕事でもある。もちろん個人事業主でもあるので、手取りの多さも大事だ。けれど、せっかく設立した代理店をただの共同仕入れ会社、安さだけが売りのディスカウントストアにはしたくない。』

創業時にそう思いました。お金以外の価値として、常にビジョンを示し、特に一般的には「つまらない」会議自体に「笑い」を盛り込み、明るく楽しく学びながら、情報を共有することで独自の文化を醸成し、ただの共同仕入れ会社ではない組織にしたかったのです。

とにかく会社を「好き」になって欲しかったのです。

適正化により3年前から完全雇用に変わりましたが、それでもこのイベントは一貫して継続し、保険会社さんを初めとしたステークホルダーやスタッフを含め今回も総勢500名を超える参加者でしたが、私はこのカンファレンスは参加してくれたすべての方々にとっての「教育の場」であり、「ファン化(好きになってもらう)する機会」でもあると思っています。

因みに今回のテーマは「インフルエンサー」。

意味は「他者や社会に大きな影響を及ぼす人や事物のこと」。このテーマには自らがインフルエンサーとなり、周りの人や社会に大きな影響を与える人になろうという意味と、今自分が曲りなりにも存在(成功)できているのは誰のお陰かという、過去から現在までの自分にとってのインフルエンサーの存在に改めて気づき、感謝する「場」にしたいという意味が込められています。

このイベントは創業当初から数年ほぼすべての企画を私が練り、資料を作成し、プレゼンをしていましたが今ではスタッフがほぼすべてを仕切るようになり、私の持ち時間もどんどん減り、今回も与えられたテーマで40分のプレゼンテーションをするのみでしたが、それはスタッフの成長の証なのでとても嬉しく思っています(寂しさがゼロではありませんが(笑))

 

スタッフの発表でも、「将来設計士に導入する退職金制度の概要」「FD宣言のKPI化としてスタートした顧客満足度アンケートの経過報告」「教育研修課が取り組む今後の教育プログラムの概要」等盛りだくさんで、各社各様のプレゼンテーションはどれも中々素晴らしく、改めて彼らの成長を実感することができました。やはりアウトプットの場を与えることで人は成長していくとうことですね。

 

また、今回のメインはエリアごとに将来設計士たちが自主的に取り組んでいる事例をパネルディスカッション形式で共有したこと。沖縄オフィスは全員CFP取得に向けた取り組みを、東京オフィスは法人マーケット開拓勉強会、京都オフィスは損保系募集人に向けたクロスセル勉強会、といずれもその活動には言い出しっぺのリーダーがインフルエンサーとして存在します。

 

ともすればフルコミッション(完全歩合)の報酬体系の彼らが貴重な自分の時間を割き、更にノウハウを惜しみなく提供し、仲間のため、組織のためにサポートしてくれる理由は何なのでしょうか?

リーダー曰く

リーダーたちは言います。

「いつも遅くまでオフィスにいるメンバーから相談を受けているうちに自然発生的に始まりました。私も今まで色んな周りの人たちにサポートいただいたからこそ今がある。だから私も得たものを若者たちに、これからこの業界、ホロスを支えていく彼らに伝えていきたいのです。」

「雇用化され、昔の仲間が去っていった時、逆にホロスへの愛着心が強まったんです。もっとホロスに貢献したい。そのためにはもっと生産性を上げることです。お客様もホロスも保険会社もメリットがあるトリプルウィンを目指そうと声掛けをし、そしてやる気のあるメンバーがその呼びかけに応えてくれました。」

 

惜しみなくノウハウを共有し、お互いが切磋琢磨しながら成長していく組織は、決して強制からは生まれません。自分一人がよければいいのという発想から、共に成長しようという共育発想になれるかどうかは、どう「企業文化」を創るかどうかに寄るのではないでしょうか。

 

その企業文化を根付かせるのは一足飛びではできません。ある程度の時間をかけながら、言葉や文字にし、言行一致の行動を心掛けながら徐々に企業文化は醸成されていくのだと思います。創業以来継続しているカンファレンスの目的はまさにその「企業文化」を創るための投資、カルチャーインベストメントに他なりません。スタッフも将来設計士も生産性を止め、時間とお金を掛けることは単なるコストではなく、重要な投資だと思ってやってきたのです。

遺言

経営の最重要リソースは紛れもなく「人」。特にグループすべての事業(保険、教育、システム、土地サブリース)に基本在庫を持たない弊社にとって「人」の価値をいかに上げるかは最重要課題です。そのためには採用、教育が欠かせませんが、いくら優秀な人材でも、いくらOFJTで能力開発を施しても、やはりそこに帰属意識を持ち、成長を支えあう文化が無ければ、優秀な人材は流出し、教育も無駄に終わる可能性が高いのです。

 

最後に、当社のコーポレートメッセージは「MAY I HOLOS YOU? ~あなたらしい素敵な活き方応援します~」ですが、この二人称である「あなた」は顧客でもあり、将来設計士でもあり、社員でもあります。つまり目の前にいるすべての人の自己実現を応援したいという意思の表明です。そして、当社が大事にする「10の仕事の価値観1つに、

「はたらくことは傍楽くこと。全員が意識、実行すればここは極楽。」があります。

働くことは傍を楽にすることです。全員がそう思い、目の前の人を楽にしてあげよう、楽しませてあげようという思いやりに溢れている職場環境、企業文化こそが「極楽」なんだよという意味なのです。

私がこの世から本当の極楽(ひょっとして地獄・・)に逝った後でも、この企業文化はずっと継承してください。これが私からの遺言です(笑)

 

MAY I HOLOS YOU?

~あなたらしい素敵な活き方応援します~」

堀井 計

 

 

「堀井計の午睡」→http://www.holos.jp/holostyle/?t=1363




あなたも保険業界のインフルエンサーの仲間入りしませんか?→http://www.holos.jp/employ/orientation-session.html

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