洗濯から選択へ。保険代理店に求められる顧客本位の業務運営とは何か。

今週の月曜の夜年始に際し某占い師さんに四柱推命と算命学と手相を観てもらい生まれた時間次第ではもう既にこの世にはいないかもしれないらしく極めて特異な星に生まれ逆境にはめっぽう強く50人に1人の直観力を持っていておまけに今年は10年に一度の神様からのプレゼントが期待できると言われて完全に舞い上がっている今まで運だけで生きてきたといっても過言ではない人間万事塞翁が馬鹿野郎@ケーホリーですこんにちわ。

ところで。

19日に金融庁から「顧客本位の業務運営に関する原則(案)」が発信されました↓
http://www.fsa.go.jp/news/28/sonota/20170119-1/01.pdf

これは、昨年に開催された金融審議会市場ワーキング・グループ報告「国民の安定的な資産形成に向けた取組みと市場・取引所を巡る制度整備について」(平成28年12月22日)を踏まえて、公表されたものです。

少なくとも日本で働く金融事業者の方々は目を通しておいたほうが良いのではないかと思い、今日のブログはこれをテーマにさせていただきます(金融事業者以外の方でもお金に興味がある方は目を通したほうがいいと思います)

と言っても。

「俺にはあまり関係ない上の方の話だな・・」とか「どうせまた小難しいことが書いてあって読んでもよくわからないだろう・・」と思って目を通さない人の方が圧倒的に多いような気もしますので。

世の中のわかりにくいことを極力わかりやすく説明することをがワタスの信条なのでかなりザックリバックリにはなりますが以下に解説していきたいと思います。

まずもってこれは昨年開催された金融審議会ワーキンググループ(有識者会議)によって「国民の安定的な資産形成と顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)」等について審議された結果をまとめたものです。

これからの金融事業者は、特にこの「顧客本位の業務運営に努める」ことがとてもとても重要なのですが。これを、

1.従来型のルールベース(規則で縛る)での対応を重ねるのではなく。
2.プリンシプルベースのアプローチ(規範を設け企業の自主性に委ねる)を用いることが有効であると考えられ。
3.具体的には、当局(金融庁)において、顧客本位の業務運営に関する原則を策定し。
4.金融事業者に受け入れを呼びかけ。
5.金融事業者が、原則を踏まえて何が顧客のためになるかを真剣に考え。
6.横並びに陥ることなく、より良い金融商品・サービスの提供を競い合うよう促していくことが適当である。

という見解が示されているのです。 以下にかなりかいつまんで抜粋しますと。

<本原則の目的は>
この顧客本位の業務運営に関する原則は、上記市場ワーキング・グループの提言を踏まえ、金融事業者が顧客本位の業務運営におけるベスト・プラクティス(最善の慣行)を目指す上で有用と考えられる原則を定めるものである。

<本原則の対象は>
本原則では、「金融事業者」という用語を特に定義していない。顧客本位の業務運営を目指す金融事業者において幅広く採択されることを期待する。

ここで、金融事業者を金融庁は敢えて定義しないとなっています。では保険代理店は金融事業者かということですが、これは金融庁の認可に基づき生保の媒介や損保の募集代理をやっているわけなので保険代理店は当然金融事業者に該当すると思います(この自覚があるかないかが重要かと)

では我々保険代理店は何にこれから積極的に取り組まねばならないか。
それが7原則にまとめられているのですが、その中から少し気になるとこをを抜粋してみますと(以下金融事業者を保険代理店に読み替えて表記)

原則1.顧客本位の業務運営に係る方針の策定・公表等(保険代理店は、顧客本位の業務運営を実現するための明確な方針を策定・公表するとともに、当該方針に係る取組状況を定期的に公表すべきである。当該方針は、より良い業務運営を実現するため、定期的に見直されるべきである。)

原則2.顧客の最善の利益の追求(保険代理店は、高度の専門性と職業倫理を保持し、顧客に対して誠実・公正に業務を行い、顧客の最善の利益を図るべきである。保険代理店は、こうした業務運営が企業文化として定着するよう努めるべきである。)

原則3.利益相反の適切な管理(保険代理店は、取引における顧客との利益相反の可能性について正確に把握し、利益相反の可能性がある場合には、当該利益相反を適切に管理すべきである。保険代理店は、そのための具体的な対応方針をあらかじめ策定すべきである。)

原則4.手数料等の明確化(保険代理店は、名目を問わず、顧客が負担する手数料その他の費用の詳細を、当該手数料等がどのようなサービスの対価に関するものかを含め、顧客が理解できるよう情報提供すべきである。 )

原則5.重要な情報の分かりやすい提供(保険代理店は、顧客との情報の非対称性があることを踏まえ、上記原則4に示された事項のほか、金融商品・サービスの販売・推奨等に係る重要な情報を顧客が理解できるよう分かりやすく提供すべきである。)

原則6.顧客にふさわしいサービスの提供(保険代理店は、顧客の資産状況、取引経験、知識及び取引目的・ニーズを把握し、当該顧客にふさわしい金融商品・サービスの組成、販売・推奨等を行うべきである。)

原則7.従業員に対する適切な動機づけの枠組み等 (保険代理店は、顧客の最善の利益を追求するための行動、顧客の公正な取扱い、利益相反の適切な管理等を促進するように設計された報酬・業績評価体系、従業員研修その他の適切な動機づけの枠組みや適切なガバナンス体制を整備すべきである。)
さて、これを読んで保険代理店関係者の方々はどのように感じられたでしょうか。金融事業者を保険代理店と読み替えただけで、当事者意識を持ちやすいと思いませんか?

ワタスはこれを読んで基本これからの保険代理店のあるべき姿であると感じましたが、少し違和感というか当事者意識の外にあるような思いを持ったのが原則4.の「顧客が負担する手数料」のくだりです。

我々が保険会社から受け取る募集手数料は、「顧客が負担する手数料」になるのでしょうか。もちろん間接的には顧客が支払う保険料が原資というのはわかります。ただ代理店手数料は保険会社の事業費の中の一費用項目です。保険料=純保険料+事業費(保険会社取り分)+事業費(代理店取り分)に分かれるのです。特定保険商品(変額保険・外貨建て保険)が銀行や証券会社で投資信託と同じ目線で比較販売される際に手数料を開示するのは理解の範疇ですが、一般的な保障性商品の手数料もこの原則に包含されているのでしょうか。

顧客への最善の利益の一つは、保険料が下がることでしょう。ただそれを実現するには手数料だけではなく事業費全体の見直しであるわけですから、これを代理店手数料だけにフォーカスされることに少し違和感があるのです。

また、原則5.に「顧客との情報の非対称性」とあります。つまり金融知識を持った売り手が金融商品の知識がほとんどない買い手に商品を販売するのだから、ちゃんと理解できるよう情報提供を行うのだぞと言うことで、それは全くもって同感なのですが、そもそも顧客のマネーリテラシーをどう向上させるかを国策的にも考える必要があるとも思うのです。

今後はIdecoの導入により投資教育が今より活発になるとは思いますが、更には金融庁と文科省がコラボし、更にそこに金融事業者が積極的に関わりながら義務教育にお金の授業を導入するのもいいかもしません。また、漫画やドラマで金融や保険の世界を面白く描くことで金融の世界に興味を持つ子供や若者が増やせるかもしれませんし、やはりフィンテック的なシステムがマネーリテラシーを向上させるツールにこれからはなっていくのではないでしょうか。

まずもって我々の優先順位は昨年5月に改正された保険業法であり、PDCAを回しながら意向把握、比較推奨、体制整備の精度を粛々と上げていくことです。また、まだ社会保険の足らずまいを補完するために民間保険を提案する立場にありながら潜脱的スキームで自らがその社保を払わない保険代理店と募集人が存在します。この募集人は顧客にも社会保険の潜脱を指南しながら保険販売をしているのでしょうか。論外です。

今般の7原則を遵守する前にまだまだ整備しないといけないことが山積している保険代理店業界ですが、他の金融事業者から置いて行かれないためにも、また金融事業者として社会的認知を得るためにも、混とんとする業界を洗濯し、顧客から選択していただけるよう自覚を持って行動していこうではありませんか。

顧客本位の業務運営を徹底する保険代理店でシゴトがしたい方はこちらから↓
http://www.holos.jp/employ/orientation-session.html

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