平成28年(2016年)熊本地震(およびそれに引き続く地震活動)により被害を受けられました皆様に
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新保険業法改正まであと1か月と少し。
いよいよ5月29日から意向把握・確認義務、情報提供義務、募集人の体制整備義務が施行されます。今代理店の現場では急ピッチでその対応を進めていることと思います。そもそもこの意向把握・把握確認義務と情報提供義務はなぜ導入されることになったのでしょうか。
この背景を全く持ってあり得ない強烈にざっくりばっくりとした性格の関西訛りが抜けきらないお役人さんから説明を受けたと設定すると。
情報の非対称性てわかるか?売り手と買い手に知識の差がありすぎたら、へたしたら買い手、つまりお客さんは簡単に騙されてしまうかもしれんちゅうことや。保険とかの金融商品はそういう商品や。それでのうても、保険は昔からGNP(義理人情プレゼント)営業とか言われて、商品の中身をちゃんとわからんうちから契約したり、いきなりパッケージになった商品をたいしてお客さんの意向を聴きもせんと提案してきた歴史あるわな。もうそんな時代やないちゅうことや。これからはお客さんの立場にたって、お客さんの意向をしっかり理解してから提案するというコンサルチングセールスを全保険募集人ができるようにならんとあかん。これができるようになったら保険募集人のレベルも上がるし、何よりお客さんの満足度も上がるし、満足度上がってお客さんから評価されたら保険募集人の地位も上がるやんか。そやからこれを義務付けることにしたんや。えーか、わかったか?」
となるわけです・・(もちろん架空の人物です)
つまり、新保険業法はつまるところ顧客視点に立ったコンサルティングセールスを保険業界に根付かせることが目的だということなのです(多分)このコンサルティングセールスを保険業法の枠組みとして義務付けたものが意向把握義務から情報開示義務、そして最終の意向確認という一連のプロセスなのです。
となりますと、このコンサルティングセールスとは何ぞやということになるのですが、実は弊社はこのコンサルティング力強化を目的とした教育研修を様々企業の営業パーソンに導入し、恐らくその受講者は延べ数千人ではきかず数万人に及んでいます。その中で最もベーシックなフレームワークに商談の3原則「HPC」なるものがあります。
HPCはサイコムブレインズ社の登録商標です
この「HPC」とはHearing・Proposal・Closingの頭文字を取っていて、あらゆる商談でH(問いかける)P(提案する)C(約束する)を実践すること。その商談が3分でも2時間でもとにかくその商談の時間の中で、まずは顧客を理解し(H)、そのうえでできるこちらができる限りの役に立つ提案を行い(P)、その提案で合意すれば細かく締めくくる(C)ことで双方納得のゆく商談が前進していくというスキームです。因みにこのHPCの時間配分は6:3:1を理想とします。つまり100分の商談なら60分がヒアリング。いかに聴く(意向把握)することが大事かを研修の中でも気づかせるのです。更に細かく言うと、Hearingしようにもお客さまとの信頼関係が構築されていないと、いくらヒアリングしようとしてもお客さまはちゃんと答えてくれないので、ヒアリングする前には、ちゃんと自己紹介をして能力の開示を行い、信頼の場をつくる必要があります。それが法的には権限明示という、提案前に身分や立場や取扱保険会社などを明示しておく商談前の権限明示行為となるわけです。
「そろそろしゃべるのをおやめなさい」TFP出版より
少し整理しますと。
法的プロセス:権限明示→意向把握→情報提供→最終意向確認
コンサルプロセス:自己紹介→ヒアリング→プロポーザル(商品提案)→クロージング
更に我々は研修の中で、このHPCの商談プロセスをお客さまと共有する手法として「見せるメモ」の取り方をレクチャーします。これは、お客さまのニーズや、それを踏まえたこちら側の提案内容や、その後に約束した細かな内容を、口頭だけではなくメモに、それも一方的に書き記したメモでなく、大きな字でお客さまに見せながらメモを取るという手法を習得してもらうのです。まさにこれは、今般の一連のプロセスで求められる「エビデンス(証跡化)」に符合するものです。
要するに。
今般の行法改正を、自ら、そして自組織のコンサルティングセールスの質を上げるための施策だと考え組織に根付かせることは(もちろん義務なので根付かせることが必須)、結果的に顧客満足が上がり、更にその結果組織の生産性が上がるのだということなので。
「新保険業法の意図をちゃあんと理解したうえで、これをマジメに取り組んで組織のレベルアップをしていくことがこれからお客さんから選ばれるための差別化戦略なんやからあんたはんらもそこんとこよー理解してしっかり対応していくんやで、えーか。」
ということで皆さんがんろうではありませんか。
行法改正をチャンスと捉える代理店の将来設計士として活躍したいかたは→http://www.holos.jp/employ/orientation-session.html