2022年も早や6月。もう折り返しの月なんて、時の流れは早いですよねー。前半の〆になりますが、皆さんに限って無駄な日々なんて送っていませんよね?
気温もどんどん暑くなってきました。最近の京都の「日の出」時間は4時53分。いつものウォーキングに行く時間には、すっかり太陽が昇っています。
だいたいそこから小一時間ほどかけてほぼ同じコースを歩くのですが、同じコースでも季節の移ろいとともに気温や景色や音(鳥や虫)にも匂い(草や花)にも変化があります。トレーニングジムのランニングマシーンでは味わえない醍醐味ですね(ちょっと大げさ・・・)
自分自身の五感や六感に意識を向ければ、日常の非日常が発見できます。
これは恐らく自然の中のウォーキングに限らず、日々の仕事や家事にも言えることではないでしょうか。毎日のルーチンをただ「流れ作業」のようにこなしている感覚で仕事をしても何も発見できないものが、「五感や六感」を味わいながら目の前の業務に集中することで新たな発見や感動が得られるような気がします。
こう前振りをしつつ、まずは2件の非日常を共有しますと・・・
基本、毎朝一人でウオーキングに出かけるのですが、その日はたまたま奥さんがついてきました。
私のウォーキングはちょっと変わっていて、河原を降りたほぼ人のいない畔道ではほぼ目をつぶり、心の中でブツブツとつぶやきながら歩く瞑想ウォーキングなので・・・その時はあまり景色を見て歩きません(たまにコースをはずれて危険)。そんなワタスとは裏腹に、奥さんは周りの景色を愉しみながら歩きます。
「あ、なにこれ?なんか木の実がいっぱいなってるやん!」
それはマルベリー(桑の実)でした。恐らく実のなる季節は今頃なのでしょうから、毎日歩いていてもその木が「桑の木」であることはワタシでは気づくことはなかったでしょう。その場でネットで検索すると食べられることもわかりましたので、自然生活を標榜する身としては食べないわけにはいきません(笑)。
一旦家に戻って踵を返して袋持参で収穫させていただくことにしました。
で、定番のジャムにしてみたらこれが実に美味しかったのですよ。
(砂糖なし、水無し、蜂蜜と甘酒で味付けし庭のミント添えてみました)
後に検索すると、マルベリーはスーパーフードだったようです → https://vegewel.com/ja/style/mulberry
ビタミンCやカリウム、抗がん作用もあるルティンなど栄養満点だということがわかりました。こうしてブログに残しておけば、来年のこの季節にはマルベリーのジャムが再び食べられる愉しみの1つとして覚えておけます(このブログを見た人で来年は収穫者が殺到するかも(笑))。
因みに、川の土手にはヨモギもたくさん自生しています。これも摘んで帰ってニンジンジュースにブレンドします。実はヨモギにも抗がん作用があるという話を聞いて早速取り入れました。両方とも原価ゼロです(笑)。
そして今週はもう一つ事件?がありました。
その日は出社予定日で若干時間が押していたので、足早でウォーキングの帰り道を歩いていると、堤防の前方視界10メートルあたりに何か物体が動いています。
目を凝らして見ると・・・なんと亀さんがそのアスファルトの道を横断しているやないですか。
(絵を書き足したイメージ図・・)
以下はワタスの心の会話です。
「な、なんでこんなとこに亀が歩いてんねん!」
向かって右方向には川が流れているのですが、川面までは100メートル近くあります。
向かって左は堤防を下りたところに道路があり、その先は更に下って民家や畑です。
「そっち歩いても水ないで。というか道まで出たら車に牽かれてしまうがな。」
と思いつつ、時間が押していたのでそのままスルーして家路を急ぎました。
「そやけど車に牽かれてしもたらあいつ死んでまうな・・・」
と思い直し、引き返し。
「亀さんよ、オマエそっち行ったら車に牽かれるで。やめとき。」
と話しかけ、亀さんを持ち上げせめて川の方向に向きを変えてやりました。
「うわ!オマエ何すんねん!」
なんと亀さんを持ち上げたとたん、危険を察知したのかおしっこをジャージャーとまき散らされました。何とかそれをかわしながら(ちょっと足にかけられた可能性有り)道路をはさんだ土手の方向に亀さんを置いてやりました。
「ちょっと道のりは長いいけど、そっち向いて歩いて行ったら川に辿り着くからがんばりや。」
と言い残し、結構時間をロスしたので再度足早に家路に向かいました。
「今日は既にかなり暑いし、川までかなりの距離あるし、あいつ川に辿り着くまでに干上がって死んでまうんと違うやろか・・・」
とまたまた不安になり・・・再度引き返すことにしたのです。亀さんは置いた位置から微動だにしていません。
「オマエしゃーないから川まで連れてったるわ!」
と、また亀さんを持ち上げ(もう膀胱が空になったのか今度はおしっこ攻撃無し)、そのまま土手を駆け下りて約100メートル先の河原まで速足で向かいました。最初は手足をバタつかせて抵抗してましたが、後半は諦めたのか首も手足も引っ込めてじっとしたままでした。草むらをかき分けながらようやく河原に辿り着き・・・
「よっしゃ、これで文句ないやろ。」
川の浅瀬に亀さんを置いてやりました。しばらく見守っていても、その場でじっとしたまま首も手足も出さないままでしたが、少し距離を置くとヒョコっと首を出し始め、そのまま泳いで深みに消えていきました。それを見届けて、ダッシュで家路に着いたのです。
「あいつ、ひょっとしてどうしても行きたいところがあったんと違うやろか・・・それを俺が邪魔したとしたら、悪いことしたかもしれんな・・・」
と、頭をよぎりましたが、あのまま行くと車に牽かれる確率は50%、水辺までたどり着けない可能性は50%くらいはあったと思い直して、無理やり納得することにしました(笑)。
「亀の恩返し期待してるからな。」
と、鶴の恩返しと浦島太郎のお伽噺がごっちゃになるほど、おいしい期待をしてしまうのがまだまだ人格者とは言えませんね(笑)。
結局はその後バタつきながらも時間になんとか間に合い、事なきを得たわけですが・・・ワタシが費やした時間は無駄だったのか有意義だったのかどちらだったのかと、ふと考えてみたわけです。
時間は「命」と置き換えても良いでしょう。すると・・・
「有限な命という時間をいかに有益に使うのか。」
という、壮大なテーマに飛躍したのです(笑)
ワタシは末期ガンを宣告されてから、この「時間」という大切さをより感じるようになりました。「いつまで生きてられるのだろうか」という想いが頭から離れないのです。
そんなタイミングで、先日元金融庁長官の遠藤先生の講演を拝聴したときに紹介されたのが「逆説の法則(新潮新書)」(西成活裕著)です。
もちろん早速購入し拝読しましたが、この著書の一大テーマは下記のように記されています。
「無駄とは、目的、期間、立場の3つを定めないと決まらない概念」
確かに効率化を重視して目の前のシゴトを棚卸しし「無駄だ」と切り捨てることは、とても危険だなと思ったわけです。一見無駄だと思うことも、目的、期間、立場という切り口で見たときには、実は無駄なんてないことがあるわけです。そんな意思決定ができる組織や個人は、基本前向きだと思います。
では、今のシゴトに「やりがい」や「充実感」を見いだせず、くすぶっている社員は時間を無駄にしていないのか、というとどうなんでしょう。目の前のシゴトに充実感を味わえず、ただダラダラと過ごしているヒトがいたとしたら、それは命の無駄遣いをしているのではないだろうか、と思ったりもします。
皆さんはどう思われますか?
でも、自分の人生を何年後か、何十年後かに振り返り、「あの期間があったからこそ今の自分がある」といえれば無駄ではなかったことになりますよね。
実はワタシもサラリーマン時代に暗黒の4年間を過ごしたことがあります。
すさまじい上司のパワハラで屈強の体育会系社員たちが心身ともに疲弊して、辞めたり飛ばされたりしていきました。では、その期間はワタシにとって無駄だったのかというと・・・振り返れば反面教師として、とてもよかったと思っています(その時は全く思えませんでした)。ただ、ワタシのこのケースは自分の意志とは裏腹に、そういう環境に耐えながらも体験したこと自体が後々に活きたというケースですが、一方で自ら「くすぶる状態」に甘んじているヒトはどうなのでしょうか。
もちろんシゴトは最低限の収入の糧で、仕事にやりがいや生きがいなんて必要ない。それは趣味やボランティアとか別のところで充実しているからどうでもいいと思うヒトもいるでしょう。それはそれで、そのヒトがよければ問題ないと思います。
ただ、心の奥底では今の状態に鬱々としながらも他責志向で自らの行動を変えようとせず、表面的に自分はこれでいいと嘯いている社員がいれば、それは少し人生を無駄遣いしているのではないかと心配になります。
で、結論的には・・・過去のことはどうでもいいので、今から先は人生の無駄遣いはやめましょう!と言いたいわけです(え?それだけ?)
日常を変えるにはそれなりに勇気がいります。1人では中々行動変容を起こせないヒトもいるでしょう。でも、今ある命がずっとあるわけではないのです。それはコロナやロシアのウクライナ侵攻で頭の中ではわかっていますよね。
亀さんを助けた次の日のことですが、いつもと同様ウォーキングに出かけました。亀さんをリリースした場所から約2キロくらい下流に草むらをかき分けて川面まで下りるワタシの瞑想スポットがあるのですが、そこを下りた時、なんと目の前の川面に亀さんが顔をひょっこり出しているではないですか。
ヒトの気配を感じたのか、2秒後には泳ぎ出して川底に消えていきました。因みにその場所で亀さんを見たのは初めてです。
「オ、オマエ、ひょっとしたら礼を言いに来たんか・・」
もちろんその真偽はわかりません(笑)
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