保険業界レベル3。メーカーと代理店はどこに向かえば勝てるのか
保険業界レベル3。メーカーと代理店はどこに向かえば勝てるのか

今週のサマリー

正月休みが終わったと思っていたらあっと言う間に令和2年1月も終盤を向かえている。62歳になるのも時間の問題だと思っていたら今週高校の同級生が亡くなった。

まだ見たことが無いあの世の世界に近づくスピードが日々加速していることに焦りと期待が入り混じり、来月には生まれて初めて大腸検査でお尻からカメラを挿入することに不安と快感への期待が交錯する。

アクサダイレクトのCMで子供に天体望遠鏡の脚立をぶつけられてクルマのドアが凹んでも「大丈夫」と爽やかに言ってのける岡田将生の本心はどうなんだろう。

彼は、「お、お前何してくれてんねんアホンダラ!まだ買ったばっかりなんやぞこのクルマ(怒)」という感情と「まーえーわ。保険入ってるし。大人げないのでここは冷静かつ爽やかに対応しよう。」という感情が一瞬の中に交錯し、自分の心に折り合いをつけた上で発した「大丈夫」なのだ(知らんけど・・)

先週も今週も不安と期待が交錯するエキサイティングな出来事がたくさんあった。

保代協定例会での恒例「新春座談会」では上場している2社の代理店経営者含めた4社の代表に登壇してもらいモデレーターを務めたり。

某大手金融機関の新任支店長研修にて講師を務めたり。

株主の大手生命保険会社さんとの業務提携委員会を開催したり。

中堅乗合代理店経営者からの相談を受けたり。

異業種シナジーを生み出せそうなベンチャー企業からの提案を受けたり。

グループシナジーを発揮するための組織横断プロジェクトを発進したりして。

どうやら。

今年は変革のスピードが更に加速する、面白い1年になりそうだ。

自動運転レベル4

毎年1月初旬にアメリカ・ラスベガスで開催される世界最大の家電ショー「CES2020」。もともとその名の通り、家電メーカーが中心の見本市だったものが、近年は自動車の中でも「CASE(自動運転やシェアリングといった新技術の総称)」と呼ばれる新しい技術の発展が著しく、自動車メーカーが周辺技術の領域を広げてCESへの出展を重ねることで、一気に主役の座に躍り出た。

自動車メーカーは、あと4〜5年先を目処に自動運転をレベル4まで上げるらしく。因みに自動運転レベル4とは、システムが高速道路など特定の場所に限り交通状況を認知して、運転に関わる全ての操作を行い、システムが緊急時の対応も行うレベル。例えばアウディのAI:MEの場合、レベル4状態ではハンドルが格納され、木目のテーブルがせり出し、ドライバーは運転操作から解放される。つまり、通常時はハンドルも無く、勝手にクルマが目的地まで運んでくれるのだ。この時ドライバーは車内で何をするのか。アウディは自動運転時の車内での過ごし方について、AI:MEでひとつの提案を投げかけている。AI:MEの車内にはインフォテインメントシステムの映像を出力するVRゴーグルが標準装備されていて、インターネットを閲覧したり、映画を見たり、対戦ゲームを楽しむことができるらしい。

トヨタはトヨタで、今回のCESで豊田代表自らがあらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクティッド・シティ」のプロジェクト「Woven City」の概要を発表した。

このプロジェクトは、人々が普段の生活を送る環境のもと、自動運転やパーソナルモビリティ、スマートホーム技術、モビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)などの技術を導入、そして検証することができるという実証実験都市を新たに作るというもの。この都市を作るにあたっては、静岡県裾野市にある2020年末に閉鎖予定の「トヨタ自動車東日本株式会社 東富士工場」の跡地を活用。2021年初頭から着工する予定で、初期はトヨタの従業員やプロジェクトの関係者をはじめ、約2000人程度が暮らすことを想定しているという。

ガソリンエンジンが世の中から消滅し、既存の自動車産業が崩壊することを見越した上で、世界の大手自動車メーカーのダイナミックな研究開発競争は凄いとしか言いようがない。間もなくクルマは単なる移動を目的とした機械ではなくなり、オフィスでもありホテルでもあり、リビングルームでもありゲームセンターでもありカラオケボックスでもありとマルチスペースとして活用される時代、つまり自動運転とエンタメが融合する時代になるのだ。

では自動運転社会の到来で損害保険会社がどんな役割を果たすのか。その姿はまだ明確には見えないものの、恐らく保険会社の存在価値は単なる自動車保険の供給者に留まらず、今とは全く違う事業体に様変わりしているのではないだろううか。

保険業界はレベル3に

保険業界も自動車業界に負けず劣らずの大変革期にある。特に少子高齢化が急速に進む日本国内における保険産業は、長期的には従来のマーケットが拡大し続けることは有り得ない。人生100年時代を睨んだ生存型商品の開発や予防医療を軸にしたヘルスケアサービスの領域に踏み出すことは必然と言えるのだ。

アクセンチュアのレポートによると、「万が一のリスクに対する備え」という顧客の欲求を充足する従来型の保険商品の提供を「Level1」とした場合、「Level2」は顧客の本質的な欲求の一つである「心身共に健康でありたい」に寄与する新商品・新サービスの提供となると。具体的には、健康増進型保険や健康サービスなどを指す。近年の各社のヘルスケアビジネスへの取り組み強化は、「万が一のリスクに対する備え」という従来の保険の価値提供から「心身共に健康でありたい」「充実した人生を送りたい(QOLの向上)」という顧客のより本質的な欲求を満たすための価値提供への取り組みと捉えられると。

では次に目指すべきヘルスケアビジネスはどのようなものが考えられるか。その最終形の一つとして考えられるのは「リビングサービス」という価値提供のかたちである。これは、「充実した人生を送りたい(QOLの向上)」という顧客の本質的・包括的な欲求を満たすための価値提供であり、これを「Level3」と表現している。

生命保険業界が「Lebel2」の「心身ともに健康で長生き」という健康寿命の延伸、予防医療の世界に向かっていることは間違いないが、その先にある「Lebel3」の生活者個々の価値観に基づく総合生活支援サービス業を実現するためには、異業種との連携や顧客接点を握る保険代理店との連携無くしては実現できないのではないだろうか。

保険代理店はどこに向かえばいいのか

先週保代協定例会にて企画した「新春座談会」では、保険代理店として株式公開している2社の代表をパネラーに迎えました。ある意味国内保険市場で急成長している乗合代理店の中でも、最も先を無据えた企業と言ってもいいでしょう。因みにその1社、NFCホールディング社のトップメッセージは「保険代理店から総合生活商社へ」です。このメッセージから、保険契約者という顧客基盤をベースに保険以外の総合生活サービスを提供していく企業に変化していこうとする想いが伺えます。

もう1社のアイリックコーポレーション社は保険販売に加えて「ヒトと保険の未来を繋ぐフィンテックイノベーション」をキャッチコピーにITを駆使した事業戦略をIRに企業価値を上げられています。顧客満足と市場での評価は必ずしも一致しませんが、少なくとも市場(投資家)は国内保険販売オンリーの事業モデルでは評価されなさそうです。

両者の戦略からひも解くとすれば、信頼関係をベースとした顧客基盤を拡大(規模拡大による市場シェアの拡大)しながら、保険は元より資産形成領域からヘルスケア、介護、美容、住宅、教育などの生活全般のサービスを提供していくサービス業を目指すこと。そのためにもITを駆使して限りなく効率化をはかりながら、ヒトの強みを最大限に発揮する仕組みの構築が必要となるのではないかと思うのです。コンビニですら24時間営業が無くなる時代です。働き方改革により営業時間は短くならざるを得ません。先行する代理店ではヒト(募集人)をAIが補完する仕組みは既に実証実験が始まっているはずです。

いつか自動運転もレベル5の完全自動化になります。自動運転とエンタメが融合するように、保険代理業も個別相談にせよセミナーにせよリアルな人が対応するなら、それ自体が愉しみとなるエンタメ化が必要です。また、いつか保険営業もヒトを介さない完全ロボット化の時代が来ないとも限りません。

まとめ

ヒトは死への不安と生(未来)への期待を交錯させながら自らの人生を生きている。そこに保険商品の存在価値がある。ヒトにこの感情がある限り、恐らく保険商品はこの世から無くなることはないだろう。そう、保険商品は不安解消のソリューションだ。少なくとも経済的なリスクをヘッジすることで生きることに集中できるヒトがいる。

もし保険業界レベル4があるとすれば、それは生きることにも死ぬことにも不安が無い世界。無い社会。無い精神状態。つまり保険商品のそのものが必要ない状態を指すのではないだろうか。

もしその時が来れば保険会社や保険代理店の存在価値は無いのだろうか。

僕は決してそうは思わない。

これから先、保険業界がレベル3、レベル4に向かう中で顧客接点を持つ企業がこぞって総合生活支援サービス業に名乗りを上げるだろう。それでもその中で勝ち残れるのは信頼関係をベースに複数保険商品の中からベストチョイスし、終身担当としてサポートし続けてきた乗合保険代理店が最有力であることは間違いないはずだ。

因みに弊社のコーポレートメッセージは「MAY I HOLOS YOU? ~あなたらしい素敵な活き方応援します~」だ。

このメッセージは創業間もなくトイレで突然降りてきた(笑)このメッセージはある意味最強だ。ここさえぶれなければ例え保険業界のレベルが上がり続けても、多分恐らくきっと必ず弊社は生き残っているに違いない(知らんけど・・)

あなたらしい素敵な活き方を応援する人たちをサポートする会社にご興味ある方はこちらから→https://www.holos-hd.jp/recruit/

 

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