金融事業者の皆さまへ。顧客本位の業務運営方針提出に際する注意事項
金融事業者の皆さまへ。顧客本位の業務運営方針提出に際する注意事項

蝉とワタス

朝7時ころから蝉の大合唱が始まりました。夏ですね。

僕は蝉の大合唱が大好きです。もうずっと1日中聴いていたいほど大好きです。地中で何年も何十年?も生活し、成虫になってからの寿命は1週間とか2週間と聞きます。その短い地上人生(蝉生)を全うするように唄ってくれていると思うと感動すら覚えるのですよ(笑)

彼らが成虫になった時、余命というものを本能的に認識しているのかどうかは定かではありませんが、人生があとわずかだと知った時、その残された時間で何をすれば悔いなくこの世からおさらばできるのかは昨年から結構頭の中をよぎるのですが、明確な答えがみつからないまま1日が終わるのが現状です。

でも蝉さんと自分の人生を重ねてしまう自分がいるのですよ。ま、取りあえずは蝉さんたちのように日々完全燃焼で唄い続けるしかありませんね(笑)

ジャスミン堀井ですこんにちわ。

今回は妖しいネタではなく、珍しく本業の保険ネタを書いてみたいと思います。

金融事業者の皆さまへ

もう提出されました?

 

もちろん当社は。

 

まだです・・・

 

え?何のこと?と提出物がわからない方はちょっとヤバいかもしれません(笑)

 

これこれ↓

 

「金融事業者における顧客本位の業務運営のさらなる浸透・定着に向けた取組みについて」
https://www.fsa.go.jp/news/r2/kokyakuhoni/202104/fd_2021.html

令和3年4月12日に金融庁から発出された金融事業者に向けた要請(義務ではなく)です。

改めてその内容を抜粋しながら解説しますと。

『金融庁は、国民の安定的な資産形成の実現に向け、2017年3月30日に「顧客本位の業務運営に関する原則」を公表しました。』

→4年前にいわゆるFD宣言と言われる顧客に向けた金融事業者として信任を得るための宣言を公表しろという要請が下った。これはこれからお上はルールベースではなくプリンシプル・ベース、つまり規則で一律に縛るのではなくある程度は現場に任せるので個社ごとが原理原則に則り、自主性を持ってベストプラクティス(一番いいやり方)を追求しなさいと、そしてそれを公表し、切磋琢磨しながら顧客から選ばれる金融事業者になるのだぞ、という主旨だったわけです。

『また、金融事業者の顧客本位の業務運営への取組みを見える化し、より良い取組みを行う金融事業者が顧客から選択されるメカニズムを実現する観点から、同原則を採択し、取組方針等を公表している金融事業者をリストとしてとりまとめ、金融庁ウェブサイトで公表してきました。2020年12月末時点で、同原則を採択し取組方針を公表した金融事業者は2,098社にのぼります。』

→その主旨に則り公表している金融事業者は直近で2,098社。因みに取組方針(いわゆるKPI)を公表している保険事業者は443社 。保険代理店は生損併せて概算で20万社弱はあろうかと思われますので比率的にはごくわずかと言えます。メーカーはもちろん全社だされているはずですが、保険代理店においては大手に限定されているのではないでしょうか。

『 2021年1月15日には、「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書-顧客本位の業務運営の進展に向けて-」(2020年8月5日公表)を踏まえ、「顧客本位の業務運営に関する原則」(以下、「本原則」)が改訂されました。』

→今年初めに内容が改定されています。

『本原則を採択する金融事業者は、取組方針に、原則2~7(これらに付されている(注)を含む)に示されている内容毎に、実施する場合にはその対応方針を、実施しない場合にはその理由や代替策を、分かりやすい表現で盛り込むとともに、これに対応した形で取組状況を明確に示すことが求められています。』

→これは、上場企業が市場(投資家)に求められているコーポレートガバナンス・コード、「コンプライオアエクスプレイン(宣言せよ。さもなくば説明せよ)」という考え方と全く同じです。上場企業のように義務ではないものの、出すからには原則に則って示せということなのです→ココポイント

『また、同報告書では、金融庁に対しては、本原則の採択事業者のリストを公表する際には、各金融事業者の取組方針やこれに係る取組状況を項目毎に比較できるようにすることが適当であるとされたほか、金融事業者による好事例と不芳事例を比較分析し、ホームページなどを積極的に活用して、顧客にとって分かりやすい情報発信を行うことが求められるとされています。』

→要するに、ただ形式的に出したらいいのではなく、ちゃんとその宣言を実行するためのPDCAを回し、その経過や結果をわかりやすく自社のホームページにも掲載し、顧客から見て信頼に足る金融事業者であることをアピールしていくのだよ。それをちゃんとやってりゃ、金融庁のホームーページにもちゃんと掲載してあげるからね。そうして、お上からもお墨付きをもらい、かつ自主的にも積極的に業務品質を上げていくことで、結果的にはお客様から選ばれる金融事業者になっていくんだよ。いーね!

 

ということなのですよ・・・

差し戻し多発の真実

先週不肖ワタクシが理事長を務める保険乗合代理店協会の定例会において、上記についてのパネルディスカッションを行いました。webメインではありますが、緊急事態宣言下にもかかわらずリアルでの参加者もそれなりにおられ(対策は万全です)、内容もとても有意義なディスカッションが展開されました。

パネラーには既に6月30日までに提出された代理店経営者を中心に迎え、適時専門家の意見も交えながら、その考え方やポイントを代表から共有いただきました。これから提出を検討されている代理店の皆さまにはかなり参考になったのではないでしょうか。

実は。

現時点で提出したはいいが財務局から差し戻されている代理店が結構多いのです。

色々確認をしたところ。

提出フォーマットに沿った形で提出されていないと差し戻されていることがわかりました(内容がプアだからではなく)

要するに。

自社の方針が原則2~7のどれに該当しているかを明示する必要があるのです(注含む)。恐らくそれさえできていればはねられ突き返されることは現時点ではない模様です。

現時点では。

まだまだ自社の宣言を顧客が見て、共感、感動して結果売上に繋がるなんてことはありません。しかしながら保険代理店においては公表することで品質手数料というポイントが加点され、生命保険募集手数料に反映することは既に保険会社が打ち出しています。

提出する真の価値とは

まだまだ、全金融事業者が提出するまでには時間がかかると思いますが、提出する意味は間違いなくあると思うのですよ。

けっしてそれはお上に言われたからイヤイヤやるというようなネガティブな受け取り方ではなく。

例えば。

・自社の経営理念や目指すべき方向性を社員に指し示すことで強い組織を作るきっかけにする。

・その具体的な行動指針が「顧客本位の業務運営方針」であることを周知する。

・それを指標化(KPI化)し、顧客からの支持率を上げていくことを目標とすることで結果業務品質が向上する。

・この一連の流れが、顧客から選ばれ、売上や利益が向上し、結果社員の労働条件も向上するということに繋がるということを理解してもらい、全社員が納得し同じ方向性に進んでいく。

恐らくこういうことであれば規模の大小関係なく、中小規模の代理店でも策定する意味は充分あるんじゃないでしょうか。

要するに。

ヒトビジネスである保険事業として、人財教育の一環、強い組織作りの一環と捉えれば取り組む価値は大いにあると思うのですよ。

もちろん。

そもそも情報の非対称性が大きい金融商品を販売する事業者は、専門性が高いからこそマネーリテラシーが低い一般顧客にわかりやすく説明し、誠意をもって顧客を理解し、たくさんの金融商品の中からベストチョイスをすることで信頼されていくわけですから、顧客本位の業務運営方針はそれを俗人的に行うのではなく、組織として取り組むことが必要不可欠であることをしっかり頭にいれておくことは言うまでもありません、

 

あ、弊社も提出する方向で今準備を進めています。決算のタイミングで毎年更新をしているので、敢えてそれを前倒しするのではなく、あくまで弊社のペースで提出日程を決めているだけです。これもプリンシプルベースです。個人的にも蝉さんに負けないように残された命、プリンシプルを大切にして唄い続けます(笑)

 

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