告白。実はワタス、癌宣告を受けました。vol.15
告白。実はワタス、癌宣告を受けました。vol.15

前回の振り返り

やっと梅雨が明けましたね。本格的な夏の到来です。僕は真夏生まれのせいか南国生まれ?のせいかはわかりませんが、四季の中では夏がダントツに好きです。幼少の頃から夏休みとなれば海水浴とかキャンプとかゲンジ(クワガタムシ)採りに行くのが大好きでした。恐らく前世のどこかでは裸族のシャーマン(呪術師)だったような気がします。もちろん根拠はありません(笑)

ただ今年の夏は例年とは違いますよね。世間ではコロナ感染の第2波が急速な広がりを見せており、もはや誰が感染してもおかしく無い状況ですし、個人的にもまだまだ油断はできない状況ですから、恒例のハワイでのサーフィンも今年は断念せざるを得ません(涙)

それでも制限された環境の中で、インドア(基本家の中)で愉しめることや、今までおぼろげにやりたくてやれていなかったことに取り組んだりしています。長年物置部屋に眠っていた亡き母が使っていた電子ピアノを引っ張り出して、せめて1曲は両手で弾き語りができるように練習を始めました。

朝は6時に起きて庭先のデッキチェアで瞑想をするのも愉しみの1つです。朝の陽ざし、草の匂い、鳥やセミの鳴き声、まだひんやりとした風を五感で味わいながら心と身体を整えていくプロセスは治療の一環でもあります。半面、かなり俗っぽいですがNetflixでは今話題の韓国ドラマ(愛の不時着とか)はひととおり制覇しました(笑)サブスクモデルでCMがありませんからドラマは休憩無しで展開され、終わったかと思うと「デデンッ♪」という音と共に(わかる人にはわかるはず・・)続きが始まりますので、止める勇気が常に試されます(笑)

因みにTVでは半沢直樹2も始まりましたね。総合視聴率が初回33%と下馬評通りの高視聴率を叩きだしています。もちろんワタスも視聴者の1人です(笑)このドラマは典型的な勧善懲悪もので最後は半沢直樹が勝ってスッキリする展開ですが、むしろワタス的には歌舞伎役者が演じる濃い芸風に魅かれてしまいます。特に香川照之演じる大和田常務の現実には有り得ない表情とセリフ回しの怪演ぶりに釘付けなのすよ(笑)例えば、

「やられたらやり返す。倍返しだ!」(by半澤直樹)に対抗して・・

「施されたら施し返す。恩返しです!」(by大和田常務)

 

と。月並みですがこのパロディ返しは最高です!実はここで終わらないのがワタスでして、この延長線上でもし自分ならここはどうパロディろうと考えてしまうのです(実はこれが愉しい・・)で、すぐに思い立ったのが・・

 

「施したら施される。恩送りや!」(byマッキー堀井)

何てのはどうかな~、ドラマ的にはウケないだろうけど、「見返りを期待せずに施し(やってあげる)とけば、やがてその人以外のどこからかから施されるという宇宙の法則に適ってるんやけどな~」

なんてことを想像しながら愉しませていただいおります(笑)あ、施すという言葉はなんか上から目線の表現で少しおこがましいのですが年初に開催したチャリティ企画「春蝶エロスの二人会」の売上の一部をようやく義捐金として寄付することができました。送金先は、この度の豪雨で被災された熊本県南豪雨義捐金です。この場を借りましてご参加いただいた皆様には心から御礼申し上げます。いつかどこかで誰かからか施されることをほのかに期待しておきます(笑)

 

さて・・最近前置きが長くなりすぎて反省しておりますが・・

前回は遂に抗がん剤の副作用が身体に襲い掛かってきてご飯も水も喉が通らなくなり、その結果どんどん気持ちまで落ちてきて、弱い自分を改めて実感したところまででした。

告白。実はワタス、癌宣告を受けました。vol.14

その落ちていく気持ちを引き上げてくれたのは、他ならぬ社員からの励ましのメッセージでした。

ではVol.15の始まりです。

副作用発症後の萎えた気力をどう立て直すか

4月27日は主治医の診察日だった。もちろん緊急外来での件は伝わっていた。主治医はγGTPの数値が急上昇していることで、

「とにかく肝数値が治まるまでは抗がん剤を中断しましょう。再開はその後ですね。その後はタグリッソの量を減らしながら様子を見ることになると思います。」と僕に告げた。妥当な判断だと思った。

「問題はそれでも副作用が出る場合です。その時は抗がん剤を違うものに変えるしかありません。でもこの薬以上に効果があるものが無いんですよね。副作用もこれ以上に出る可能性があります。」

「そうなんですか。タグリッソを更に減らすというプランは無いんですか?」

「無いことは無いですが、その場合の効果のエビデンスが無いんですよね。」

「そうなんですか。エビデンスが無ければ処方はできないんですか?」

「まぁ、できないことは無いですが・・・」

歯切れの悪いやり取りでこの件は終わった。気持ちを入れ替えるように、

「先生、先日のPCR検査はクリアしたようです。」

「検査だけでは判断できません。まだかかっている可能性も否定はできませんので充分気を付けてください。」

「・・・ それと、CT検査の結果、腫瘍がだいぶ小さくなっているとその時の先生から伺ったんですが。」

「まだこれくらいでは何とも判断できませんので。」

「ああ、そうなんですか・・」

主治医はPCR検査で陰性でもまだ疑いはあると言い、CT検査の画像で肉眼で見て腫瘍が小さくなっていても、こんなものでは評価には値しないと言った。この診立てにはさすがに耳を疑ったが、楽観的な評価を一切しないのがこの先生のスタンスなんだろうと納得するしかなかった。僕は思わず、ここまで徹底していたら逆に立派なもんだと心の中で苦笑いをした。

この主治医が組織のマネージャーだとしたら、部下は大変だろうな・・と自分のフィールドに置き換えてみた。常に部下の欠点を指摘し、一切誉めない上司を持った部下。この環境でも成長できる部下は相当な負けず嫌いか自身の目標にコミットできる、かなり強い精神力の持ち主しかいない。「望むところだ」と逆にモチベーションが湧いてきた。

発症している副作用の症状を相談するも、胃薬を処方されるのみで原因含めて相談の余地も無いままこの日も10分弱で診察室を出た。

ただ、モチベーションが湧いたのとは裏腹に、抗がん剤を止めたことでガン細胞が増殖に転じだすのではないかという不安に駆られだしてきた。どこかが痛みだすと、それが副作用のせいなのか、ひょっとしたらガン細胞が転移しだしたのではないかと、どうしてもネガティブな思考に気持ちが行ってしまうのだ。

「えーか。病は気からや。気で負けたらあかんで。気で負けんかったらあんたはこんなんでは死なん!」

気が萎えたとき、この住職の言葉を何回も何回も反芻しながら弱い自分を鼓舞するしかなかった。

最悪の事態を想定する

4月28日~4月30日。ようやく吐き気が治まりだしたかと思うと今度は2時間おきに胸が締め付けるような痛みが始まる。夜中でも2時間置きに胸が締め付けられて起きざるを得ない状態。肺なのか心臓なのかはわからないが兎に角胸の中心が2時間置きに計ったように締め付け痛が出る。

これは胃に食べ物が無くなると出るのではないかと思い、胃に何かを入れることにした。するとその仮説が正しかったのか、締め付け痛がその後治まりだすことがわかる。それでも24時間2時間おきに胸の締め付け痛が発症することで、熟睡ができない日々が続いた。この先いつまでこの症状が続くのか、夜中でも2時間置きに目を覚まさざるを得ない状況は、処方された胃薬くらいでは治るはずも無く、自身の精神力が蝕ばまれていくのがわかった。5キロくらいは痩せただろうか。今までは毎日ヘルスメーターに乗って体重コントロールをしてきたが、怖くて乗ることを止めた。身体中にできた発疹と生気の無い顔を鏡で見るたびに気力が落ちていく。

実は4月19日日曜日に緊急外来を受けた日に、もしかしたらコロナに感染したかもしれないし、もしそうなら隔離されて連絡もできない状況になる。場合によってはそのまま誰とも会わずにこの世からいなくなる可能性すらある。そうでなくてもこの副作用がいつ治まるのかもわからないことから、その日の夜に幹部にはメールを送っていた。

『金曜日から体調が崩れており、医師の見解では恐らくタグリッソの副作用の可能性を示唆されています。

ただ金曜に発熱があり本日も一旦下がったのですがまた上がり出してます。時世柄コロナの疑いもあるので本日CT.血液検査、PCR検査を行いました。CTではコロナの症状はないとのことで多分大丈夫とは言われましたがPCRは明日の結果待ちとなります。肝臓の数値が高く少し心配なんでタグリッソの服用は一旦来週まで様子見となりました。腫瘍の大きさは少し小さくはなっていました。

吐き気がずっと続いています。薬の副作用であることを祈っています。

そこでお願いですが緊急事態として私が意思決定することを基本無しにして、代行を〇〇さんとし、〇〇さんと協議の上全てを仕切っていただきたく。役員、部長への共有はお任せします。

大変なご迷惑をおかけしますが何卒よろしくお願いします。』

今までやろうとして中々できなかった権限委譲をある意味必然的に実行に移していた。あとは、個人的な遺言書とエンディングノートを書いておこうと思い、寝られない夜中にこっそり書き始めることにした。

~続く~

平均寿命と健康寿命に関する個人的価値観

8月1日の日経新聞に日本人の平均寿命が男女とも最高を更新したという記事が出ていました。

「2019年の日本人の平均寿命は女性が87.45歳、男性が81.41歳となり、ともに過去最高を更新したことが31日、厚生労働省が発表した簡易生命表で分かった。前年に比べ、女性は0.13歳、男性は0.16歳延び、いずれも8年連続のプラスとなった。女性は5年連続で世界2位、男性は3年連続で3位だった。」とのことです。

因みに平均寿命をwikiで調べると、

  • 0歳時における平均余命
  • 不安定な素粒子・原子・原子核などが作られてから、他のものに変化してしまうまでの時間のながさ

と出てきます。我々保険業界では当たり前ですが、あくまで平均寿命は0歳児があとどれくらい生きられるのかという平均値なので、例えば現在80歳の男性があと1年4カ月しか生きられないかというとそうではありません。80歳の男性があと何年生きられるかという平均値はおよそ89歳です。この、ある年齢の人があとどれくらい生きられるかを表した数値を平均余命と言います。

因みに62歳の私の平均余命は84歳。平均的にはあと22年です。そしてもう1つの指標として着目すべきは健康寿命というものですね。これはWHOが提唱した新しい指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。最新のデータによると、男性72.14歳、女性74.79歳。私がもし平均的な男性であれば、あと10年から12年で認知症もしくは介護状態となり、その後は死ぬまでの10年から12年はQOL(生活の質)を失った状態で過ごすことになります。私の場合、目下末期ガン宣告真っ只中ですから、これ以上に早く天国(地獄?)に召される可能性すら大ありにあるというわけですね。

もちろんあくまで平均値ですから、参考値にすぎません。誰しもが平均寿命よりも健康寿命を延ばしたいと思っているはずですが、歳を重ねれば重ねるほど、日々のコンディショニングがその数値に大きく左右されるのです。私は、今までもそれなりに健康には配慮してきたつもりでしたが、それでも突然末期ガン宣告を受けることもあることを体験しました。私はその経験を無駄にしないためにも、今取り組んでいる考え方ややり方を整理しているところなのですが、言えることはある程度の年齢になると「平均値」はもはや何の参考にもならないのではないかと言う事です。

例えばガンのステージⅣは末期と位置付けられますが、それは単に医師が勝手に決めた現代医療の限界宣言の平均値です(勝手解釈です(笑))

薬やサプリの服用量も日本人の大人の平均的数値で本来は個人的な体格や健康状態によって調整されるべきものです。今回私は食べ物やサプリ等いくら身体に良いとされるものを摂取していても、自分自身の中に溜まっている有害物質をまず解毒しないと吸収されず、せっかくの健康投資もあまり意味を成さないことも学びました。

PCも不要なモノが溜まりすぎて動きが悪くなっているのに、その上からいくらイイ情報やアプリケーションを取り込もうとしても結果ハードもソフトも機能せず、PC本体も壊れてしまいます。ヒトの身体も脳も同様ですね。まずはデトックスからしないといけません。そう思うと、私は62年間、何でも自分の中に詰め込もうとし過ぎていたのかもしれません。

健康寿命を少しでも延ばしたい方は、平均的な数値を気にすることなく、自分の価値基準を定めること(いつまでどういう状態で活きたいか)、そして健康リテラシーを高めることが重要です。資産運用も自己責任ですが、それより大事な自分の命も当然自己責任というこことですね。その為にもまずは積年の有害物質をデトックスから始めてみてはいかがでしょうか。ワタスはもうやけくそで健康寿命で120歳を目指すことに決めました(笑)

 

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