9月になりましたね。毎朝の蝉さんたちの合唱がほとんど聞こえなくなりましたが、その代わり夜には秋の虫さんたちが涼しげな鳴き声を奏でてくれるようになりました。残暑はまだまだ厳しいですが、それでも秋の足音が確実に近づいてきています。
今年の夏はコロナにガンに熱中症とワタスにとっては余りにもリスクが高かったので水着になることは叶いませんでしたが、過ごしやすい秋になればせめてゴルフは復活すべく、密かに自宅で基礎トレーニングに励んでいます。今から一緒にリハビリラウンドにお付き合いいただける殊勝な方を全力で募集中ですので是非お声かけください(笑)
さて、前回は毎日実践しているがんの食事療法を紹介しました。
賛同いただく方もいれば、医学的根拠もなくやっても無駄と言う人もいるでしょう。もちろんワタスは医者でもなければ栄養士でもありません。あくまで一がん患者という立場で、とにかくガンに効くと自分が思えるものは何でもやってみようというスタンスなだけです。もし全ての治療の甲斐なく、死を迎えるようなことがあった時、「あれさえやっていれば・・・」と後悔だけはしたくない。ただそれだけです。
今も、事あるごとに心配してくれる仲間がたくさんいます。その応援してくれる人たちのためにも、もちろん自分のためにも引き続き人体実験を継続していくつもりです。
それではvol.20の始まりです。
6月8日。 今日は5日にCT検査をした結果を聞く日だった。タグリッソを半分の量にして再開してから1ヶ月弱、肺がんステージ4と診断されて2ヶ月が経過していた。
手術ができないガン患者にとってCT検査と腫瘍マーカー(血液検査)値はガンの状態を知る上で重要な判断材料だ。果たして僕のがん細胞は更に増殖しているのか、それとも縮小に向かっているのか、今日それが判明するのだ。
リモコンのベルが鳴った。順番が来たので病室に入れという知らせだ。僕はドキドキしながら病室に入った。病室に入ると、すでにパソコンの画面には僕の肺と思しき画像が映し出されていた。
「こんにちわ。」
「こんにちわ。」
少しだけ顔をこちらに向け、すぐにパソコンの画面に顔を戻す。いつもの主治医の挨拶だった。
「腫瘍は縮小していますね。」
「そうですか!」
よっしゃー!僕は思わず心の中でガッツポーズをした。画面を見入ると左に当初の画像、右に今回の画像が映し出されていた。見た感じでは元々直径が40ミリくらいあった原発の腫瘍面積は3分の1くらいに小さくなっているように見えた。主治医がカーソルを動かすと肺の中で転移している腫瘍や心臓の周りのリンパの画像に移った。そのどれもがどう見ても小さくなっていた。
「先生、これ写真とってもいいですか?」
「あ、いいですよ。」
僕はアイフォンを取り出し、スクリーンに映し出されている自分の肺の画像を撮った。
「先生、さっきの画像もいいですか?」
主治医はカーソルを動かしてくれる。
「もう一つのも・・」
また動かしてくれた。
「先生、他の転移しているところはどうなっていますか?」
「いくつもあってキリがないですから・・」
「え?そ、そうなんですか・・」
もうこれ以上はいいでしょうという返答に少し驚いたが、分刻みに診察する大学病院の対応はこんなもんかと思い、食い下がることを諦め質問をすることにした。
「先生、このまま腫瘍が無くなることもありますかね?」
「いえ、腫瘍は無くなりません。副作用が出たら違う薬に変える必要があります。ただ、これ以上に効くものはありません。できるだけ長くこの薬を飲み続けることです。」
以前にも聞いた話だ。末期の肺ガンは治らない。副作用が出ない限り今の薬を飲み続ける。これ以外の目新しい話しは出てこない。あとは同じ薬を処方してもらい、5分くらいで診察が終了するというパターンだ。診察室を出る直前に、
「先生、一般的にこの画像は順調と判断してもいいのでしょうか?」
「最初は薬が効きますからね・・」
抗がん剤は最初は効くが、ある程度の期間で耐性を持ち出し、その後はまた増殖に転じる。恐らくそういう意図だったのだろう。腫瘍の大きさが明らかに縮小していても決して楽観的評価をしないこの主治医の姿勢はある意味立派だった。標準治療の考え方はこの主治医のおかげで概ね理解できていたが、今回認識を新たにしたことは、抗がん剤治療を行い2ヶ月で腫瘍の大きさが3分の1に縮小しても「最初はそんなもん」で、大して喜ぶ程のことではないということだ(医師によっては異なる見解もあるかもしれないが)。そしていつか増殖に転じる可能性が高く、決して治ることはない。
それでも僕はどう言われようとも、身体の中のガン細胞が無くなることを諦める気にはなれなかった。
〜続く〜
ガンになった時に誰の言うことを信じればいいのでしょうか。もちろん基本は主治医だと思います。ただ、では主治医の言うことだけを信じてあとは何もしなくてもいいのか、と言うことです。私の個人的スタンスは「とにかくできることは何でもやってみよう」でした。ではそこで溢れる情報の中から何を取捨選択するのかと言う難問に突き当たります。
最新の週刊東洋経済に「ガン治療の正解」と言う特集が組まれましたので買ってみました。
ここでも私的には共感できるものとあまり納得できないものがありました。
例えば、「がん検診は信頼できるのか」と言うページでは、『「異常なし」でも安心は禁物』と書かれています。ここには納得が行きました。なぜなら体験的に昨年異常なしが突然肺末期ガンと診断されたからです。ここでは、
「X線検査では真正面から撮影するため、肺全体の3分の1が、心臓や肋骨などに重なり、この死角にガンがあると画像では発見できない」と書かれていいます。
まさに私の場合は心臓の裏に原発ガンがあり、発見された時にはすでに直径が40ミリもの大きさに育って(笑)いました。他方CT検査は死角もなく1センチ程度の早期ガンも発見可能と言うことです。ただ、国は肺ガン検診として推奨はしていません。もし私が2年前くらいに肺のCT検査をしていればステージ4ということはなく、手術も可能だったかもしれません。日本は肺ガンによる死亡率が一番高いわけですから、どうせならCT検査を早期発見のためにも標準検査にしてもらいたいところです。
では医師や専門家が発信する治療に関する情報はどうなのでしょうか。
特集は標準治療が最高レベルの治療で、妖しい自由診療は詐欺に近いと言うトーンでした(個人的感想)。
「標準治療とは「並の治療」ではなく、日本では健康保険が適用される、最も効果が期待できる「最高レベルの治療」だ。患者さんの中には、「新しい治療法=優れた治療法」だと思い込んでいる方もいるが決してそうではない。標準治療に組み込まれていない新しい治療法は、「まだよく効くかどうかわからない」レベルなのだ。標準治療は最善治療だと言い換えてよい。」
この情報ソースは書籍「世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった最高のがん治療」の著者の情報が引用されているのがわかります。実は私もこの本は既に買って読んでいました。
通常、ガンの専門医や研究家が発信する情報ですからこれを信じるのが当り前でしょう。
ただ、アマゾンのレビューを見て驚きました。上位レビューからかなり手厳しい内容が続いているのです。例えば、
「こういう風に説明すると、患者さんも医者も、そして医師会もだまされるんだなぁと、とても勉強になる一冊。「代替療法を受けたがん患者さんの生存率は低い」「代替医療は標準治療と比較して治療成績が劣る」とする参考文献を挙げているが、「すべての」代替療法を含んでいるわけであり、個別の療法、例えばケトジェニックダイエットや高濃度ビタミンC点滴療法の判断はできない。ちなみにこの報告は当然製薬会社から研究資金を調達している。代替療法が優れている報告をするわけがない。〜中略〜著者の一人であるK氏は製薬会社から年間360万円以上の報酬を得ている。特にアッヴィ合同会社からコンサルティング料として年間100万円以上の報酬を得ている。アッヴィ合同会社は抗がん剤のメーカーであるので、スポンサーの悪口を言えるわけがない。以上の情報はマネーデータベース『製薬会社と医師』から誰でも閲覧可能である。」
と書かれてあるではありませんか。確かにそのホームページを開き、著者の名前で検索すると「謝礼受取詳細」が出てきます。その内容は医師平均が26万程度のところ、360万超と10倍異常の謝礼を製薬会社から受け取り、最も多いアッヴイ合同会社とはコンサルティング契約がされていることがわかります。こうなると、確かにレビュー通りに製薬会社寄りの情報発信が多いと思う方が自然で、一体何が正しいのか、本当に専門医の言うことを鵜呑みしてもいいのかと言う疑問が出ざるを得ません。
因みにこのサイトを開くと、
『かかりつけ医がいつも処方している薬は、効果と安全性の面で自分にとって最良なのだろうか。著名な医師が薬や病気についてメディアで語る内容は信じられるのだろうかーー。
そんな疑問を持ったことはありませんか。
米国では、製薬会社から医師への2,000円ほどの飲食の提供で、その医師の処方が変わるという研究もあります。医師による薬の処方やメディアでの発信を監視するには、医師と製薬会社との利害関係を「透明化」することが重要です。
ジャーナリズムNGOのワセダクロニクルと特定非営利活動法人の医療ガバナンス研究所は、製薬会社から医師個人に支払われた金銭を誰もが調べられるデータベースを作成しました。土台になったのは、製薬会社が自らのホームページで公開しているデータです。全社のデータが出揃っている最新の2016年度版です。このデータベースを私たちは「マネーデータベース『製薬会社と医師』」と名付けました。
みなさんへの適切な薬の処方に役立つことを私たちは期待し、このデータベースを公開します。』
トップページには「患者とその家族、友人の皆さまへ」というタイトルで上記の説明が書かれているのです→https://db.wasedachronicle.org/
これはまさに我々金融事業者が「顧客本位の業務運営方針」ということで、提供者のモラルを問われていることと同じです(もちろんお金を貰っていることで、すべてが忖度された情報発信となっているとは限りません)
それでは、ガンと宣告され、「何としてでも治りたい」と切に願う闘病患者やその家族たちは何を信じればいいのでしょうか。
これに正解というものはありませんが、私の場合は、
①できるだけ一次情報(ネット情報だけでなく、直接劇的寛解をした当事者に会う)を取得する。
②極めて信頼できる人からの情報を参考にする。
③最終的には直感に従うが、後付けでもそのロジックを検証したうえで納得する。
上記は以前にも書きましたが、私は今、特に②をとある統合クリニックのドクターに相談しています。このクリニックはバイオレゾナンスというドイツの波動測定器により、その薬や治療器が自身の身体に合うかどうかを測定できる器械で判断してくれます。あらゆる「ガンに効きそうなもの」を持ち込んではその器械で診断してもらうようにしたのですよ。
え?妖しい?もちろん主治医の言うこと以外は耳を貸さないという人は必要ありません。自分の判断のみで意思決定できる人も必要ないかもしれません。私の場合、末期ガンをカミングアウトしたことで、たくさんの情報をいただくことになりました。そのすべてを治療に摂り入れることは不可能ですし、情報の信憑性を客観的に判断することも結構難しいと思い、直観的にこの診断方法を信じようと思ったのです。
もし、ご興味があって知りたいと思う方は直接連絡をください。こっそり教えます。妖しいと思う方当然スルーしてください(笑)
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