コロナショック。業界の豪農たちよ今こそ飢饉普請で経済を回せ。
コロナショック。業界の豪農たちよ今こそ飢饉普請で経済を回せ。

今週のトピックス

今週は社内の営業パーソンへの研修と新入社員への入社オリエンテーション、事業会社の取締役会議が3社、社内横断のプロジェクトミーティングに戦略会議に打合せ諸々。いつもとさほど変わらないスケジュールでしたが、違う事があります。

そりは。

そのいくつかがテレワークでの会議や打合せだということです。テレビ会議は普段から普通にやっていますが、最近は各社員が自宅からzoomを使って会議に入ります。それが結構プライベートが垣間見えて面白いのです。

自宅のソファやカーテンや飾ってあるものが画像に映ったり飼っているワンちゃんが突然登場したりしてなんかほのぼのとしてるのですよ。早く通常業務に戻って欲しいのは山々ですが、生産性が落ちなければテレワークは当たり前の社会になるかもしれませんね。

コロナの影響度合い

弊社は事業会社が4つあります。保険代理業、教育研修事業、システム事業、土地サブリース事業の4つです。

世間では既に業種によっては大きなダメージが出ています。ホテル業はかなり厳しいですね。例えば京王プラザホテルは、2月の稼働率が41.9%と、前年同期比で約34ポイント低下しているそうですし、インバウンド目当てで乱立している我が町京都のホテルの宿泊料をブッキングドットコムで調べると、最安値は1人1泊1800円でした。

飲食業も厳しいですね。弊社のお客様でも300店舗中100店舗を休業し売上は半減しています。小売り、サービス業、中国からパーツを輸入している製造業等々その影響度は計り知れません。

弊社グループで最も影響を受けているのは教育研修事業です。ほぼ大手一部上場企業がクライアントなだけに、延期や中止が相次いでおり、印象的にはリーマンショックの時を超えています。幸か不幸か助成金支援コンサル部門の引き合いが急増しているのが救いではありますが、短期的には減収を覚悟するしかありません。

システム事業と土地サブリース事業は今のところ大きな影響はありません。システム事業については、乗合保険代理店に特化した顧客情報管理システムが主力商品ですが、これは代理店のインフラ提供事業でもあり月額利用料を積み上げていくビジネスモデルなので急激な影響が少ないのです。土地サブリース事業についても、長期に及ぶ定期借地契約をベースとして需要のある運送業社様や事業会社様にリースをさせていただいていますので急激な変動が少ないのです。

そして主力事業の保険代理業ですが、目下のところでは差ほど影響はありません。ですが、気になるポイントはいくつもあります。それは、大手企業の社員様や一般エンドユーザー向けのマネーセミナーや保険見直しセミナーを自粛していることや来店型ショップへ誘導するためのイベントも自粛していること。更には通常では法人の決算期に合わせた保障の追加や見直しがある時期ですが業績悪化により見合される可能性が高いこと、等々です。

更に更に危惧することは、既存契約法人の保険料がこの景気の急減速により支払えない可能性があるのではないかということです。

保険業界変革への萌芽に

不測の事態への対応として時差出勤やテレワークが導入されたことで一気に働き方改革が進みそうです。今までの慣習に囚われていたものが、「なぁ~んだ、全然このワークスタイルでも大丈夫じゃん。」みたいな感じでしょうか(もちろん業種業態、企業規模により格差は有ります)

リアルな場やリアルなコミュニケーションがマストではなく、ヴァーチャルでも充分可能だと認識されたとき、保険募集の現場でもそれは充分可能であるという仮説が成り立ちます。

今保険募集の現場では保険会社主導でペーパーレス化が促進されていますが、基本リアルな面前における申込手続きが必要です。一部の商品や少額短期を除いてはまだまだ保険業界ではネット上で募集活動をすべて完結できる保険会社や保険商品は少ないのです。今後5Gが普及することも視野にいれると、これを機にネット上で完結できることが認められるように一気に業界が動き出してもおかしくないと思うのですがいかがでしょうか。そうなると市民権を得た来店型保険ショップのビジネスモデルも変革を余儀なくされるかもしれませんね。

実は金融庁もこの事態を重く捉え、既に3月13日付で発信文書を業界団体に向けて出されています→「新型コロナウイルス感染症に伴う金融上の措置について(要請)」

https://www.fsa.go.jp/news/r1/hoken/20200313-2/01.pdf

上記の懸念点である保険料支払いにおいても猶予期間を設けるなど適宜の措置を講じることを要請されていますので、恐らく保険会社さんもこの不測の事態に猶予対応はしてくれるものと期待しています。

飢饉普請とは

近江商人には「飢饉普請(ききんぶしん)」という言葉があります。

「飢饉、つまり、その年の収穫が不作で、近隣農家が困っていたら、普請しなさい、ということです。普請して、農家の人に働いてもらい、賃金を出しなさい。お金を貯めるばかりではなく、飢饉のときこそ、出し惜しみすることなく使いなさい。できるだけ長く働いてもらいなさい。

誰もが途方にくれる震災や、天災に出会ったとき、商人の本当の値打ちがわかる。一時の利益に目がくらみ、他人の不幸につけいり、小さな儲けを得ようとするものは、後に必ず衰退している。反対に、困っているときはお互い様、と自分の損得を考えずに助けた者は、のちのちまで隆々として繁栄している。」

という意味です。インフラを提供する大手企業、大手金融機関にはまだまだ余裕があるはずです。それに引き換え、中小企業には余裕がありません。圧倒的に多い中小企業とそこに働く社員とその家族を守るためにも、今こそ国、行政、そして余裕ある大手企業には「飢饉普請」の精神で人肌脱いでいただきたいところです。

まとめ

企業も個人も売上や収入が無くなることで、保険料が払えなくなり、結果保障が無くなることを何としてでも避けなければなりません。もちろん我々保険代理業も決して楽観視はできません。この自粛モードが長引けば新規契約も継続契約も減少に向かうことは否めないでしょう。

我々の使命は顧客とメーカーを繋ぐ架け橋となり、長期に渡り常に顧客サイドに寄り添いながら保障や資産を確実に届けることですからそう簡単に潰れるわけにはいかないのですよ(笑)

個人的には。

メディアではネガティブな情報や責任のなすり合いのような政治家たちの発言により気分がめいりがちですし、こうなったらいくら気を付けていても感染するときは感染してしまいます。それも全て自己責任として受け止めながら、うがい手洗い、マスクの着用や自ら免疫力を上げる生活を心がけ、気持ちだけは明るく朗らかに過ごし、「今ここ」でやるべきことを悔いなくやり切りたいと思います。

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