先週の三連休の中日、令和2年1月12日。ワタスにとっては一世一代のビッグイベントともいえる「春蝶エロスの二人会」が開催されました。
これは予てよりブログでも案内しておりましたが、通常はプロの噺家しか上がらない神戸新開地喜楽館という寄席に素人の落語家?が上がることができたのです。ワタスが落語を始めてから早や8年が経ちました。よく元落研ですかと聞かれるのですが始めたのは53歳からで、生来の「何でもやりたがり」で始めたにすぎません(笑)
もちろん単独で高座に上がることなど到底できませんが、今回は知名度も実力もあり、普段は立川談春さんや桂米團治さん、月亭方正さん等錚々たる落語家さんと二人会を開催されている桂春蝶さんの指名により特認で?上げてもらうことができたのです。
因みに春蝶くんとはもう20年来の付き合いで、彼が駆け出しのころにうちの家に居候してたような関係です。その1宿1飯、いや50宿50飯?の恩義があればこそ、リスクを犯して二人会を企画してくれたのでしょう。ワタスは落語を始めた時から「どうせならいつか本格的な寄席で独演会を演ってみたい」と思っていたので、その夢が年初早々叶ったことは我ながらとてもとても嬉しい限りです。
ただ、演る上での宿題がありました。それは基本集客はワタスがメインでやること。
入場料3,000円をいただいて果たして席を埋めることができるのか。春蝶くんは独演会で大阪フェスティバルホールを満席にしたこともあるくらいですから、彼が声をかければ簡単に集まるでしょうが、今回は彼のお客さまではなく、ワタスのお客さまで会場を埋める必要があったのですよ。
今回は諸般の事情で会社としてのイベントではなく、あくまで個人としてのイベントとしてやることにしました。チケットぴあでも販売はされることにはなりましたが、プロモーション無しで申込があるとは考えにくく、よって基本ワタスのコネクションがどこまで通用するかにかかっていたのです。
春蝶くんからは喜楽館は80席埋まれば形になり、100席埋まれば上出来だと言われていましたので、目標は100に置きました(後から聞きましたがそこそこ名の知れたプロの噺家さんでも30席しか埋まらないことも結構あるそうです・・)
感覚的には保険営業を始めた時のベースマーケットが果たして機能するのか、初めてセミナー営業をした時にワタスの誘いに共感して集客をしてくれるキーマンが存在するのか、当時の感覚にとても近い心境でした。演ることが決まったのが2カ月半くらい前でしたが、お稽古はさておき、まずは会場を埋めないと始まらないと思い、リスト作成から始めることにしたのですよ(笑)
因みに入場料は3,000円。プロの落語会のやや高めの相場と言っていいでしょう。素人が1人いるのでもっと安くしてもよかったかもしれませんが、敢えて値段は据え置きにし、ワタスはギャラを取らずに本来の取り分(折半)を義捐金として被災地に寄付するという企画にしました。
そしてアクションはまずfacebookページのイベント案内を作成し、関西圏のfacebook友達に案内。更に繋がっているLINEやメッセンジャーにチラシを添付し、「こんなん演ります。もしよかったらお越しください。」と謙虚なメッセージを配信。「いくよ」と返信してくれた方には「是非お友達にもお声かけ戴けますと嬉しいです」とこれまた謙虚なプッシュ営業をしました(笑)
もちろん若干社長としてお取引先さまに政治的営業も行いましたが(笑)、弟子(ホロス亭ヘルスくん)は元より学生時代の友人や前職の部下や同僚、ゴルフ仲間など片っ端から声を掛けました。まさに保険営業をスタートして1か月目の動きを彷彿させるほどの必死さです(笑)
結果的には動き出して約1か月弱で100人を超える参加者が集まりました。1人のキーマンが最高で22名、他にも17名、15名、10名、8名、5名等々と声を掛けて募って貰えました。そして最終的には1階席は満席となり予定していなかった2階席まで開けていただき当日飛込みのお客様含めて約150名の方々にお越しいただくことになりました。
中には遠路はるばる鹿児島県や名古屋から来ていただいた方、40年ぶりの大学時代の同級生等、ご祝儀参加の方々もいらっしゃったとは言え、ダメ元で声を掛けた方も来ていただいたことは自らの能動的アクションとそんなに世間に嫌われていなかったという今までの人間関係を誉めてあげたいと思います(笑)
早くに席を埋めれたことでお稽古に専念できる時間が増え、やはり全てにおいて前始末は極めて大切だと再認識しました。特に今回は1回に2席するということもあり、今までの中で最も気合を入れて臨む必要がありました。年末年始を挟んでいたことで毎晩愛孫を観客に観たててお稽古ができたことはラッキーでした(みおしゃんは半分くらいネタを覚えました(笑))
正直、ネタを覚えるのは結構大変ですし、本番をイメージした時にかなりのプレッシャーとストレスが自分の中に張り付いていました。終わってみれば反省点は数多くありますが、それでも今回は「まくら」含めて自分に及第点を与えたいと思います。
終了後間もなく、来てくれた方々からメッセージをいただいたりSNSにアップされてた感想を抜粋しますと。
「エロスさん、落語はそりゃ素人なんだろうけど、厩火事の最後ではやっぱりホロっとしちゃったゎ。そんで、会社の経営者だけあってお話もっと聞きたいなぁと思う話術でした。」
「プロに交じってあの舞台やり切りましたね!流石です。みんな楽しかったハマりそうやと言って帰って行かれました。」
「素人とは思えないぐらい、めちゃめちゃ面白くて、笑いながら感心させられる時間でした。妻も楽しんでくれました。」
「ちょっと大げさですが感動しました。あた案内してください。」
「計さん、スゴカッコ良かったです。上手になったはったわ。」
「素晴らしかったです!正直、あそこまでの完成度を想像していくなくて(笑)脱帽です。リスペクトです!」
「堀井さん、めっちゃ面白かったですよ。思わずㇷ゚って吹き出すあの落語独特の笑いを堪能しました!」
「社会人落語家の方も面白かったです!会社でも面白い人なんだろうか・・」
等などお世辞を割り引いてもまずますではないかと思います(笑)
何事ももう少し上手くなってからとか、自分に自信がついてからとか言って、表舞台に出ることを躊躇う人がいるけれど僕はその選択をお勧めしない。
チャンスがあれば兎に角まず手を上げること。まず出る(やる)日にちを決めること。その決断が早ければ早い程本番までに整える時間ができる。別に失敗しても命を取られるとか全財産を失うようなことでなければ尚更だ。そう、失敗することを恐れるのではなく、何もしないことを恐れるべきなんだ。
日頃からの人間関係も大事だ。もちろん誰にでもイイ顔をするのは疲れるし、友だちの数も徒に競うのもではない。ただ、仕事でも遊びでも真面目に愉しく一所懸命に活きてる姿を見せていれば応援してくれるヒトは必ずいるはずだ。そう、ヒトはヒトのことを見ていないようで実は結構見てくれていて、その姿で応援のエネルギーが決まるのではないだろうか。
そしてすべての仕事は前始末で8割は決まる、かな。
今回は本当に本当にたくさんの方々にお世話になった。個人的なライフワークとは言え、たかが素人の趣味領域を出ないイベントに貴重な時間とお金を投じて来てくれた方々。自分だけでなく面白いかどうかもわからない素人落語の集客までをもしてくれた方々。そしてボランティアで手伝いに来てくれたスタッフたち。楽屋見舞いの差し入れもたくさんいただきました。そしてリスクを冒して企画してくれた桂春蝶くん。皆さんには感謝してもしきれない。
あ、オファーがあればどこにでも行きますので(笑)
ホロスグループでは、令和2年も全力で人財を募集しております→https://www.holos-hd.jp/recruit/
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