新年の辞:変革の年に向けて ~信頼の再構築と新たな「質」の時代へ~
新年の辞:変革の年に向けて ~信頼の再構築と新たな「質」の時代へ~

回想

1996年。今からおよそ30年前。当時某カタカナ生保の支社長だったワタシは保険業法改正による規制緩和により生保の乗合代理店が解禁されたことを知り、

「きっと日本も欧米のように複数の保険商品から顧客ニーズにマッチした商品を提案できる乗合代理店の時代が来る」

と予見した。そして5年後の2001年に支社長職を辞し、乗合代理店を創業した。当時はまだ委任型が許容されており、ワタシは流通業のフランチャイザー(代理店)とフランチャイジー(募集人)のビジネスモデルに近い大規模広域展開型の組織を創ろうと思い年収5,000万円を捨てて起業に舵を切ったのだ。

ワタシの思惑通り国内における乗合代理店は急成長を遂げた。しかし出る杭は打たれるのは世の常だ。保険業法が改正される(規制強化)ことになり、その前に委任型組織は募集の再委託にあたるということで完全雇用化を余儀なくされた。更に保険業法改正に伴う体制整備義務、意向把握、比較推奨理由の明示等規制強化により、物理的金銭的負担が強いられることになった。結果募集人が減少し、社会保険料負担、体制整備コストの大幅増で業績は急降下し、一気に経営は傾いた。それでも、

「業法改正に対応できない代理店は早晩淘汰され、顧客本位を使命とした代理店のみが業界で生き残ることになる。」

と言う信念のもと、当社は資金を調達し、体制整備を強化し、なんとか経営危機を乗り越え成長軌道に乗せることができた。

 

でもしかしこの10年の代理店業界の様相はと言うと。

 

社保潜脱代理店や控除率を抑え募集人に多くの手数料を還元し、お茶を濁すような体制整備で乗り切ろうとしている代理店が急拡大しているという有様だ。

 

管理監督責任のある金融庁や保険会社はこの間何を指導してきたのだろうか。

保険代理店、保険募集人の職業倫理感は低空飛行のまま上がることはないのだろうか。

 

新年のご挨拶

皆さん、謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 

2026年という年は、我々保険代理店業界にとって、単なる暦の上での新しい一年ではありません。それは、過去数十年にわたり続いてきた業界の商慣習、組織構造、そして顧客との向き合い方が根本から問われ、再定義される「歴史的な転換点」への助走期間の終わりを意味します。

 

本年6月に施行が予定されている改正保険業法は、我々に突きつけられた最後通牒であり、同時に、真のプロフェッショナルとして生まれ変わるための招待状でもあります。

 

昨今の業界を揺るがした一連の不祥事(BM問題や保険会社からの出向者を通じた情報漏洩やカルテル疑惑)は、社会からの信頼を大きく毀損しました。我々は、この失墜した信頼を回復するために、法令遵守(コンプライアンス)を「守りのコスト」としてではなく、「攻めの品質保証」として捉え直さなければなりません。

 

これからの乗合代理店に求められるのは、「商品を売る力」ではなく「顧客を守る体制」。そして、保険会社との「癒着」ではなく、顧客に対する「忠実義務」が優先されるのです。

 

体制整備と意識改革の年

では激動の時代を勝ち抜き、顧客に選ばれ続ける代理店であるために我々は何をなすべきなのでしょうか。

2026年6月を見据え、本年を「体制整備と意識改革の年」と位置づけ、保険業界一丸となって取り組んでいく必要性を感じています。

「体制整備」は特定大規模代理店という新たな規制を受け入れ、「厳しいことは顧客に安心を提供できること」だと認識することです。比較推奨ハ方式廃止に伴い、顧客の意向に沿った商品推奨を徹底することです。

「意識改革」は、我々は医師、弁護士と同等の専門職であり、情報の非対称性が大きく、専門職が容易に素人のクライアントを騙せる立ち位置であることを自覚し、だからこそ職業倫理を高め、顧客の最善利益を使命とする必要があるのです。

 

新年の誓い

2026年6月の改正保険業法施行は、我々から「自由」を奪うものではありません。むしろ、不透明な慣習や、顧客不在の競争から我々を解放し、真に誇り高い「保険のプロフェッショナル」としての地位を確立するための土台を与えてくれるものです。

乗合代理店が勝ち残るための「留意点」は多岐にわたりますが、核心は一つです。

 

「すべての判断基準を、保険会社、保険代理店、保険募集人の都合から、顧客の利益へと完全に切り替えること」。

 

我々は、これを実現するために、以下の3点を新年の誓いとして掲げようではありませんか。

1.【透明性の誓い】 我々は、手数料や便宜供与に左右されず、真に顧客に必要な商品のみを推奨し、その理由を明確に示します。

2.【品質の誓い】 我々は、規模の拡大よりも品質の向上を優先し、法令遵守体制への投資を惜しみません。

3.【自律の誓い】 我々は、保険会社からの人的・経済的依存を断ち切り、自らの足で立つ独立した代理店として、顧客の最善の利益を守り抜きます。

 

嵐の海を乗り越えた先には、信頼という名の強固な大地が待っているのです。

 

念押し:仕事に誇りを持ち職業倫理を高めること

そもそもフィデューシャリー・デューティー(FD)とは、他人の信頼を得てその資産の管理や運用を行う者が負う「受託者責任」のことです。日本の金融業界では、金融庁が掲げる「顧客本位の業務運営」という言葉とほぼ同義として使われています。

「相手が自分を信頼し、重要な判断を委ねている」という関係性がある場合には、どのような職業であってもFDに近い誠実な振る舞いが期待されているのですが、その代表的な職業は、

 

弁護士。医師。

そして。

金融事業者です(もちろん金融事業者の中に保険募集人も含まれます)。

 

なぜこれらの職業にFDが求められるかというと。

そりは。

情報の非対称性が大きいからです。

すなわち。

専門家と素人の間には情報の非対称性が大きくあり、専門家サイドは素人のクライアントを容易に騙せてしまうからこそFDが求められるということです。

もちろん職業に貴賎はありませんが。

一般的社会的評価として弁護士や医師はその難易度からして最高峰の専門職と言っても良いのではないでしょうか。

それに反して。

金融事業者、特に保険募集人はかなり低い位置に見られてきました。

それは恐らく。

誰でもなれる(一般課程試験の難易度が低すぎる)し、保険勧誘は嫌がられる職業の代表格だからでしょう。

事実。

古くはGNP(義理人情プレゼント)で保険勧誘することが営業のスタンダードな時代もあり、最近ではBM問題に端を発した保険金不正請求事案は保険会社の便宜供与と合いまり、顧客本位の真逆的行為をしてきたわけですから、職業倫理そのものが問われているわけです。

 

今般の保険業法改正は一部の大型代理店の不祥事が要因であることは間違いありませんが。

これを機にすべての保険募集人の職業倫理が問われているのです。

規制強化を疎ましく思っている保険代理店経営者や募集人がいるでしょう。

 

でもしかし。

 

我々は弁護士、医師と同等の専門職であり、極めて顧客貢献度の高い職業を生業としていることに誇りを持ち、併せて高い職業倫理を持つことが必要であるという覚悟や使命感をもつ機会だと思うのですがいかがでしょうか。

 

本年が、皆様にとって変革と飛躍の年となることを心より祈念いたします。

 

※かなり真面目に保険業界向けの新年あいさつとなりましたが、次からはいつも通り不真面目に書きますので本年もどうぞ引き続きよろしくお願いいたします(笑)

 

おまけ

我が家では年末年始に麻雀とカタン(ボードゲーム)をするのが恒例になりました。どちらも人の運、場の運、分析力、戦略立案力、決断力が問われるゲームで経営に相通じるものがあり、実は実父(没)、義父、ワタシ、愚息ツインズはいずれも創業経営者なのでこれが結構白熱するのです(笑)

 

因みに。

 

親子3代麻雀対決は94歳の義父が一人勝ちでした(涙)敗北の親子↓

 

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