実録風小説「ザ・購買エージェントへの道(起業編)     第十七章 夢の社長輩出。ホールブレインズ誕生
実録風小説「ザ・購買エージェントへの道(起業編)     第十七章 夢の社長輩出。ホールブレインズ誕生

第十七章 夢の社長輩出。ホールブレインズ誕生

 

圭太には起業して以来の夢があった。元来圭太は大きな一つの夢を掲げてそれに邁進するというより、いくつもの夢を並行して走らせるタイプでもあった。

 

その夢の一つが社長輩出だった。

 

そもそも人生やビジネスはやってみないとわからないことばかりだ。圭太は42歳とかなり遅咲きで社長になった。そしてやってみた経験での感想として、

 

―社長ほど面白い仕事はない―

 

と思うようになった。もちろんこの「面白い」という言葉は「楽しい」と同義語ではなく、英語で言う 「EXCITING」 という表現に近い。リスクを背負う分、自分の意思で好きなことができるという楽しさ、その思惑が成功した時の達成感。逆に外れたときの金銭的人的精神的ダメージの大きさも半端ではない。その落差を含めて「面白い」ということであり、またそれは「成長できる」ということでもあった。

 

―こんなに面白くて成長できる立場を独り占めするのは申し訳ないな。うちはシナジーの生む事業を分社しながら、社長をたくさん輩出する企業にしよう。そこに可能性があり、チャレンジスピリッツがあるメンバーを任命していこう―

 

圭太は研修事業を分社化することにした。それは研修会社のメインクライアントのほとんどが一部上場の大企業であり、保険とは全く関係のない事業の企業も多かったがゆえに、教育部に営業に伺うと「え?保険代理店さんが教育するの?」と訝しがられることが多かったこと。

 

そして本業である保険営業の領域も、保険会社(メーカー)の担当からは、「代理店さんには募集手数料を払っているので、それ以外のお金を代理店さんに払うことが難しいんです」と、研修内容や講師の評価以前に断られることも多かったからだ。少なくとも教育研修会社として独り立ちさせることで、その手の断り文句は発生しない。もちろん業績が好調なことも大きな理由だった。圭太と井藤二人で営業と講師を掛け持ちながら売上を倍々ペースで成長させていたのだ。

 

「井藤ちゃん、これから研修事業は井藤ちゃんに任せるよ。これからは部長じゃなく社長という肩書背負って、がんがん会社大きくしてよね。僕もできることはフォローするから。」

 

「朝倉さん、やりますよ。もちろんやらせていただきますが、研修講師ではなく僕に社長業ができますかね・・」

 

「井藤ちゃん、井藤ちゃんは意欲もあるし、能力もある。スキルを高めるための努力も惜しまない。あとは運次第やな(笑)」

 

「運・・ですか」

 

「そう、運。意欲や能力ももちろんとても大事だけど、ひょっとしてそれより大事なのは運かもしれんな。ま、けど縁あってここに来たことも運があったということやし、なんとかなるやろ。」

 

「は、はい。」

 

新会社ホールブレインズが誕生した。

 

圭太の社長輩出という一つの夢を叶えた瞬間だった。

 

 

―続く―

 

 

 コラム: エンパワーメント。人を成長させるために必要なたった一つのこと

 

人の成長曲線は縦軸を能力、横軸を時間とすると一直線に右肩上がりで成長するのではなく、うねうねと階段状に成長していくと言われています。

 

つまり、事を起こしてからすぐに成長するのではなく、階段の踊り場のような停滞期が続き、その後一機に成長してはまた階段の踊り場を迎える。こうして人は成長していくのです。

 

ではその踊り場から成長に至るプロセスで急成長するきっかけは何だったのか?

 

それがわかると人を成長させる糸口が掴めるということになります。

 

実は過去の能力開発の研究により、その要因は既に解明されています。

 

それは。

 

「任されたとき」

 

ということがわかっているのです。学生時代にクラブ活動のキャプテンに任命されたとき。後輩の指導役に抜擢されたとき。昇進して課長に抜擢されたとき。等でしょうか。

 

つまり、人を成長させるためには「任せる」ことが有効であるということ。

 

だからマネジメントする立場の人は部下を成長させるために、「意図して任せる」ことが重要なのです。

 

「エンパワーメント」とは、与えられた業務目標を達成するために、組織の構成員に自律的に行動する力を与えること。

 

ビジネスにおけるエンパワーメントの特徴は、「自律性を促し」、「支援する」ことです。

 

「まだまだうちは俺がいなければダメだ。うちの会社は俺で持っている。」と自負する経営者(特にオーナー経営者)は多く、常に部下に指示命令をして「動かす」ことが社長の仕事と信じて疑わなかったり、任せたと言っている割には部下が能動的に行動を起こせばいつも否定から入る経営者が多いのが現実です。この思考や言動や行動を経営者が続けている限り、社員が自律的に考え、行動する組織にはならないでしょう。

 

経営者もやがてその立場を後進に譲るときがきます。その為にも「信じて任す」、「任せる意図や目的や期待」をしっかり伝え、その成長を関心を持って見守り、何かあったときにはすべての責任を負う覚悟を持つことで部下は育ち、結果その組織が成長していくのではないでしょうか。

 

*上記コンテンツは2017年に上梓したものを多少手直しし、再掲しています

 

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