実録風小説「ザ・購買エージェントへの道(起業編)     第十六章 異能者を組織化する保険業界のタレントプロダクションへ
実録風小説「ザ・購買エージェントへの道(起業編)     第十六章 異能者を組織化する保険業界のタレントプロダクションへ

第十六章 異能者を組織化する保険業界のタレントプロダクションへ

 

圭太の未熟さゆえに組織から大量離脱者を出し、経営危機に陥ったホールコンサルティング。

 

その後しばらくは辞めていった者たちからの誹謗中傷を交えたリクルートに悩まされた。

 

「もう朝倉さんのところは危ないよ。沈没しないうちにうちの船に乗り換えたらどう?」

 

基本保険営業の世界はフルコミ(完全歩合)の募集人が中心であり、一定以上の成果を上げてきた彼らはいわば「流しの包丁人」。腕一つでどこの料理屋でも雇ってもらえる職人に近い。それも雇ってもらうのではなく、自分で稼ぐ包丁人。極論を言うとある程度の保険会社の品揃えがあれば、あとは低いロイヤリティの組織に動いたほうが手取りが多くなるので「得」と認識する者もかなりいる業界なのだ。

 

―このビジネスモデルは参入障壁が低すぎる。ちょっと業界で名が売れた者がこの指とまれと組織を作り、ロイヤリティの低いルール(手取りが多い)で運営すればそれなりの人が集まる。でもただ手数料を分配するだけの協同組合的代理店に将来価値はない。手取りの多さ以外に価値を感じてもらえる、コンサルタントがモチベーションやロイヤリティを感じてくれる組織にならないと企業としての存在価値も無い-

 

基本見込み客発見から契約後のフォローまですべて自己完結し、その実績で収入が決まるプロの保険営業マン達に対し、ロイヤリティの低さではなく、何を付加価値として提供すればその組織に残ってくれるのか。これが組織を維持拡大する命題だった。個人マーケット中心、法人中心、相続マーケット特化型、人柄で売る人、ライフプランニングを緻密に行って評価を得る者、100人いれば100通りの売り方があった。型にはめるのは不可能だった。

 

圭太はこんな個性溢れる異能者たちを組織化して成功している業界はないかと考えた。その業界の成長企業をベンチマークすれば何か突破口が見つかるかもしれない。

 

―あった!芸能プロダクションや。歌手や俳優、お笑い芸人など個性溢れるタレントたちを発掘し、そのタレントをマネジメントするタレントプロダクションと同じや!-

 

ホリプロやアミューズなど上場している企業もあった(当時)。どのプロダクションに移籍しても売れっ子であり続けるタレントをどう自社に囲い込むのか。このプロダクションでなければイヤなんですとどう言わしめるのか。

 

マーケットを提供する、顧客管理システムを提供する、オフィス環境を提供する、企業情報を開示してオープンな組織にする等色々考えて提供してきた。ただそれが決定的な強みになるのか、ディスカウント路線(プランナーに対し)の代理店に勝てるのか確信はなかった。そこにはまだ明確なソリューションは残念ながら見いだせなかったが、圭太はそれでも彼らを「異能タレント」と位置づけ、業界内に浸透させることにした。

 

「異能プランナーを組織化する保険業界のタレントプロダクション」

 

人のうわさも75日というが実際には2年はその噂に振り回されただろうか。

 

それでも徐々にそんな噂は消えていき、残ってくれた幹部たちのがんばりもあり、異能コンサルタントを組織化する保険業界のタレントプロダクション、ホールコンサルティングには個性溢れるコンサルタントが加入しだし、組織は拡大基調に入ることになる。

 

長い踊り場を抜けだしたのだ。

 

 

―続く―

 

 

 コラム: ハーズバーグの二要因理論(動機づけ・衛生要因)とは

ハーズバーグの二要因理論(動機付け・衛生理論)とは、アメリカの臨床心理学者、フレデリック・ハーズバーグが提唱した職務満足および職務不満足を引き起こす要因に関する理論。人間の仕事における満足度は、ある特定の要因が満たされると満足度が上がり、不足すると満足度が下がるということではなく て、 「満足」に関わる要因(動機付け要因)と「不満足」に関わる要因(衛生要因)は別のものである とする考え方。

 

元々は、1959年にハーズバーグとピッツバーグ心理学研究所が行った調査における分析結果から導き出された。約200人のエンジニアと経理担当事務員に 対して、「仕事上どんなことによって幸福と感じ、また満足に感じたか」「どんなことによって不幸や不満を感じたか」という質問を行ったところ、人の欲求に は二つの種類があり、それぞれ人間の行動に異なった作用を及ぼすことがわかった。

 

たとえば人間が仕事に不満を感じる時は、その人の関心は自分たちの作業環境に向いているのに対して、人間が仕事に満足を感じる時は、その人の関心は仕事そのものに向いている。

 

ハーズバーグは前者を「衛生要因」、後者を「動機付け要因」と名づけた。

 

前者が人間の環境に関するものであり、仕事の不満を予防する働きを持つ要因であるのに対して、後者はより高い業績へと人々を動機づける要因として作用している。

 

 動機付け要因(内部要因)

仕事の満足に関わるのは、「達成すること」「承認されること」「仕事そのもの」「責任」「昇進」など。これらが満たされると満足感を覚えるが、欠けていても職務不満足を引き起こすわけではない。動機付け要因は、マズローの欲求段階説でいうと「自己実現欲求」「自尊欲求」さらに「社会的欲求」の一部に該当する欲求を満たすものとなっている。

 

 衛生要因(外部要因)

仕事の不満足に関わるのは「会社の政策と管理方式」「監督」「給与」「作業条件」など。これらが不足すると職務不満足を引き起こす。満たしたからといっても満足感につながるわけではない。単に不満足を予防する意味しか持たないという。衛生要因は、マズローの欲求段階説でいうと、「生理的欲求」「安全・安定欲求」と「社会的欲求」の一部の欲求を満たすものとなっている。

 

よく人は衛生要因(外部要因)に不満を持ち、それを改善することでモチベーションが上がると考えがちですが、実はその効果はあまり期待できず、動機付け要因(内部要因)を高めることにフォーカスする方が結果モチベーションを高め、生産性向上に繋がるということだということです。

 

コストもかからず、日々のコミュニケーションでできることがたくさんありますね。

 

*上記コンテンツは2017年に上梓したものを多少手直しし、再掲しています

 

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