著名なコンサルタントである大前研一さんの言葉を借りると、人生を変える要素は3つあるという。
「時間配分を変える。会うヒトを変える。住む場所を変える。最も無意味なことは決意を新たにすることだ。」
まさに圭太は、42歳にして一気にこの三つを変えた。
決意を新たにすることは無意味だとは思わないが、確かに行動を伴わない決意なら “決意を伴わない三つの行動” の方がはるかに意味は有るだろう。
2001年、圭太は新築中の自宅を横目に見ながら単身赴任生活を始めることになる。そう、あのアメリカで起こった9.11事件の年だ。会社から徒歩10分程度のワンルームマンションを借りた。地元京都では8坪ほどのオフィスを借りた。こちらはいわば新会社の準備室。圭太は保険代理店としても独立していたのだ。
42歳で、ひと月前までは月収が400万あった男が学生が住むようなワンルームマンションに引っ越し、京都の一等地のオフィスビルの中に支社長室まであった立場が家賃10万程度のうらぶれた暖房設備もないオフィスで起業することになるとは。
自分の意志で決めたこととは言え、この落差は自分でも笑うしかなかった。そしてこの後1年間は月~金曜は東京、週末は京都の二重生活が始まることになる。毎週金曜の最終新幹線に飛び乗り京都に帰り、日曜の最終の新幹線に飛び乗り東京に移動するという繰り返し。
東京での仕事は、全くの門外漢でいきなり取締役ゼネラルマネージャーの肩書きを貰った。恵比寿ガーデンプレイスは都内でも当時最もお洒落で洗練されたオフィスだったせいか、そこに働く一回り以上若い社員たちも全員がエリートに見えた。
着任の挨拶は何を喋ったかははっきり覚えていないけれど、ウケを狙った挨拶が確実に東京の若者にはハマらずに思い切りスベッたことだけは鮮明に覚えている(笑)
恐らくほぼ全員が「関西弁のちっこい変なおっさん」が突然やってきたと思っただろう。
―僕は彼らにどんな価値を提供できるんだろう・・-
マーケティングの専門知識も大手企業への企画提案営業の経験も無い自分にとっては開き直るしかなかった。僕は海外で生活したことが無いのだけれど、恐らくそれに近いような気がした。意味不明なマーケティング用語が人種が違う?東京の若者たちの間で飛び交う中で1人関西のおっさんが取り残されている風景だ。
でも習うより慣れろとはよく言ったもので、英会話も机上の勉強よりその地に飛び込んだ方が早く身に付くのと同じで徐々に慣れてくるから大したものだ。
わからないことは素直にわからないと言って教えてもらう。会議の議事録は率先して書く。夜はマーケティングのハウツー本を読むのが日課になった。徐々に「関西から来た変なちっこいおっさん」は、「お洒落でおもろいおっさん」になり、少しづつ溶け込んでいけてるのが嬉しかった。
今まで培ってきたコミュニケーションスキルや営業ノウハウも研修プログラムとして施した。そして徐々に彼らの役に立つようになり、生産性向上にも寄与しだし信頼関係もできてきたのだ。
何より。
この貴重な学び、体験、出会いがなければ弊社の今のビジネスモデルは存在しなかった。これだけは確かだ。
恐らく取扱い保険会社の数とロイヤリティの低さのみを売りにした、どこにでもあるありきたりの乗合保険代理店に甘んじていたに違いない。
―続く―
会議の議事録を見るとその作成担当者の仕事の実力がだいたいわかります。
議事録は発表者が伝えたかった要点を捉えてまとめられているかがポイントですが、そのためには深く関心を持って聞きながら何が言いたいのかを理解し、その内容を簡潔に表現していくスキルが必要です。
欲を言うなら発言者の意図を汲み取り、話した以上の想いを上乗せしてあげる。「そう、俺の言いたかったことはこういうコトなんだ!」と感動させるくらいの内容にまで仕上げるのです。
当時、いきなり門外漢の出版社の取締役になり私が引き受けたことは経営会議の議事録作成。
毎週1回の経営会議議事録を1年間書きました。当時42歳でしたが、業界を全く知らない私が議事録書きを買って出て、その日中に参加者に回覧することを1年続け、
「堀井の書く議事録は要点が整理されていてわかりやすく、ちょっと面白い」
と評判になり、グループ全体に回覧されたりするようになりました。
一見地味な仕事(お茶出しとか)でもその仕事に関わるヒトにどう役に立つかを考えて、心を込めて行動するだけで見るヒトにはわかるモノ。組織から一目置かれる存在になります。
議事録書きは要点把握力のトレーニングでもあり、組織の活性化、自分の存在をアピールする機会にもなりますので、是非率先して引き受けてみてはいかがでしょうか?
最も、今では生成AIが世の中に出回っています。
ワタシも「NOTTA」を活用していますので業務効率だけを考えるのなら既にヒトが議事録を書くのは時代遅れと言えるのかもしれません。
要点把握力や文章作成力を身に着ける(させたい)なら手書き、効率を追求するなら生成AIというところでしょうが、その両方のメリットを取るのであれば、まずは生成AIにまとめてもらい、それをベースに修正付記をしながら仕上げていくのはどうでしょうか。
一見地味な仕事にも、考え方と行動次第で必ずそこに成長の種が見つかるのです。
*上記コンテンツは2017年に上梓したものを多少手直しし、再掲しています
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