炎上覚悟。それでも僕は業界を代表してがん保険不要論に反論する
炎上覚悟。それでも僕は業界を代表してがん保険不要論に反論する

2人のオピニオンリーダーの死

2024年1月1日、日本を代表する経済評論家大江英樹さんと山崎元さんが亡くなりました。

大江さんは享年71歳、山崎さんはワタシと同い歳の65歳でした。因みに死因はお二方ともガンです(大江さんは急性白血病、山崎さんは食道がん)。

お二方とも専門ジャンルは金融系であり日本人のマネーリテラシー向上に心血を注がれ、非常に大きい功績を残されました。

ここに謹んでお悔やみを申し上げます。

生前ワタシはお二方とも面識がありました。山崎さんはフィンテック系IT会社社長の紹介でした。大江さんは弊社主催のカンファレンスでゲストスピーカーとして登壇いただいたことがあります。

お二人は亡くなる直前まで執筆活動を続けていらっしゃいました。その内容を拝読して共通したのは、

「闘病にかかる費用は社会保障制度のお陰で大した負担では無かった」ということです。

お二方とも高額療養費制度の申請により自己負担の医療費は許容範囲に収まったことを公表されています。

特に山崎さんは元々「がん保険不要論者」ですから、ご自身のコラムの中でも強い信念の元にがん保険を完全否定されています。

故大江英樹さん曰く

日経新聞の記事によると、大江さんはコラムの中で自らの闘病経験を通して以下のように仰っています。

日経新聞記事→https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB12B9F0S4A110C2000000/

その要点を整理しますと。

入院されたのが昨年(2022年?)8月末から11月まで約90日。病院に払った全ての費用は約72万円。このうち個室料が約50万円で、純然たる治療費を負担したのは約22万円。

個室に入ったのは、たまに電話やzoomで連絡をしたりするので、ほかの人に迷惑がかかるし、マイペースで仕事をするタイプなので個室でないとだめだというのが理由。普通の人にとっては、個室は不要という人の方が多いはず。

結局、高額療養費制度のおかげで3カ月間の毎月の負担は、平均してならすと7万円ちょっとと。筆者は、医療や介護の費用は預金や有価証券などの金融資産の中から使うポリシーなので生活資金である年金には影響はなく、3カ月入院して22万円の費用負担であれば、おそらく誰でもそれぐらいの貯えはあるだろうと推測。

但しこれは筆者の一例であり、すべての人に当てはまるわけではないと配慮され、病気によっても違うし、病院によっても違う。ただ、医療や介護についてはいたずらに不安がる必要はなく、制度を正しく知って、それをうまく利用することが必要で、介護については今まさにその真っ最中なので、いずれまた機会があればお話ししたい、と結ばれています。

恐らくまだ闘病中のコラムですからこの先どれだけ費用を掛けられたのかは不明ですが、この時点で自己負担が個室料別で22万円であれば確かに一般生活者のレベルでも差ほどの負担では無いでしょう。

故山崎元さん曰く

山崎さんはがん保険含む生命保険商品そのものを以前からかなり辛辣に否定されていました。

トウシル記事→https://media.rakuten-sec.net/articles/-/43469

その概要を整理しますと。

山崎さんは2022年の8月に食道癌と診断されています。

その上で、

民間生保のがん保険」は不要。自分が癌になってみても、結論は変わらない。

もう一度人生をやり直すことが出来るとしても自信を持って「入らない」を選ぶ。普通の日本人にとっては、それが正解。

そして。

ご自身が払った医療費を開示され(治療途中の経過報告)。

2022年の8月に食道癌と診断が確定し、抗癌剤治療で2回入院し、その後10月下旬に手術を受けて退院。以下、2022年分の医療費として直接支払ったお金は約235万円。但し、この中の約160万円は、入院一日当たり4万円のシャワー付きの個室を選んだ意図的ないわば「贅沢」によるもの(他人に気を遣いたくなかったし、病院でも仕事をしたかった)。

残る費用約75万円は、高額療養費制度の上限を適用しながら、主に大学病院が請求した金額を支払ったもの。

がん保険の加入自体は、加入者にとって相当に損。

保険は、損であることを知りつつも、必要に迫られた場合に、泣く泣く利用するのが正しい使い方。

保険は滅多に起こらないけれども、起きた時の支払いが破滅的に大きくなるかも知れない事象に対してのみ利用を検討していいもので、癌のようなよくある病気、老後の生活費のような「ありふれたリスク」には不向きな仕組み。

現実にがん保険が売れているのは、保険会社の営業担当者が一所懸命に売るから。

癌体験者の話を聞いて、自分もがん保険に入るのは愚かな行為。

「何度人生をやり直しても、がん保険には入りません」と即答する。

と、喝破されています。

堀井計曰く

このお2人の体験に加えてワタシのがん治療体験を以下に整理します。

ワタシは2020年4月に肺がんステージⅣと診断されました。お二方は奇しくも2022年8月にがんと診断され2024年1月1日にお亡くなりになっていますので宣告されてから1年4カ月の闘病生活を経て亡くなりました。

一方ワタシは幸いなことに末期がんでありながらまだ存命し、罹患前とほぼ変わらない生活を送れています(生活習慣はかなり変えましたが)。

告白。実はワタス、癌宣告を受けました。vol.1

そのワタシの費用的体験を赤裸々に言いますと、今までの治療に払った費用は数千万円。都内なら1LDKのマンション、地方なら小さめの庭付き一戸建ての家が買えるくらいでしょうか。そのすべての金額を生命保険で賄えたわけではありませんが、その一部を生命保険の給付金(診断一時金)で賄いました。

大江さんの実質負担が約22万円、山崎さんは約75万円ですからワタシの治療費は桁違いですが、かけた費用の多くは保険適用外の自由診療費です。

毎月掛けてきた保険料と支払われた給付金を金融商品として利回り計算すると積立利率は5.2%になります。レバレッジが効くのが保険商品の特徴ですから、個人的にはもっと大きな保険に入っておけば良かったとかなり後悔しています。

ワタシの場合は、ステージⅣと確定診断された初日に「治らない」と主治医に宣告されました。

現在の標準治療ではステージⅣは治らないという見解なのです。よってまだ今生に未練アリアリだったワタシ(笑)は、その言葉を聞いた瞬間に標準治療だけに頼るという選択肢を捨て、それ以外の方法を探し、自身で納得した治療をやると決めたのです。

何が功を奏したのかは定かではありません(笑)ありませんが体感的にもし何もしていなければとっくにこの世にはいなかったと確信しています(あくまで個人的見解ですが)。

ですが。

お二方は保険適用の標準治療しかしなかったので治らず、ワタシは自由診療やそれ以外にも民間療法や生活改善に取組んだからまだ生きていると考えるのは早計です。そのような明解な答えを導き出せるほどガンは単純ではありません。

がんの種類は様々ですし、罹患される方の年齢や体力も千差万別ですし、どのステージで発見されるかとか医師の治療方針の違い等を鑑みれば治療のスタンダードを自己責任で決めるのは極めて難しいと言えます。

ここで考える余地があるとすれば。

自分ががんと診断された時、保険適用の標準治療しかしないのか、それ以上の治療まで踏み込むのかという選択です。

それと。

経済的余裕度や仕事の状況の確認です。

立場によってはかかる治療費以上に売上減や収入減のリスクがあります。もし個人事業主であれば長期療養すれば売上自体が無くなるリスクを抱える方もいらっしゃいますし、サラリーマンでも休業補償は適用されますが給与は概ね4割減となります。そのようなことまで鑑みると、治療費は高額医療で賄えても、結果的には生活が破綻するケースも充分考えられるのです。

つまり。

体験談はあくまでその人の置かれている状況や価値観での体験談(N=1)であり、それを持ってすべての人ががん保険は必要ないと断定するのはかなり危険ではないかと思うのです。

ワタシのように末期がん宣告された方が、ワタシと同じことをやったとしても同じだけ生きられるかはわかりません。それでも標準治療では治らないと言われた治療だけを主治医の言う通りにやり、結果延命治療の後に死んでいくという選択を受け入れることがベストな選択なのでしょうか(ワタシ的にはバッドな選択でした)?

もしそこに経済的余裕があるのなら。

もしがん保険や特定疾病一時金でまとまったお金が入ってきたとしたら。

自分のため、家族のため、会社のため、従業員のため、従業員の家族のため、心配してくれる友人や仲間のためにあらゆる可能性にトライすることは愚かな行為なのでしょうか?

ワタシががんになって間もなく4年が過ぎようとしています。5年生存率4.8%と言われている中で結構がんばっている方だと思います(笑)

とは言え。

再発や転移の不安とそれに伴うお金の不安(これから先どれくらい費用を掛けないと生き続けられないのか)は恐らく死ぬまで続きます。

そう考えると。

治療のためのファンド(治療費以外の収入源のリスク含む)を保険で備えておくことはとても有意義だとワタシは思うのですがいかがでしょうか?

もちろん経済的余裕のある方、マネーリテラシーの高い方ははそのファンドを手当する方法は保険だけではありません。不動産投資などのインカムゲインがあればその収入から治療費を出されればいいでしょうし、投資で得た余剰資産の中から取り崩されればいいことです。がんになるかわからないのに保険料にお金を使うならその分新NISAで積み立てしておけばいいという考え方もあるでしょう。

ですが。

それにも運用リスクはありますし、いつがんになるかの予測ができない中、充分貯まっていない時にがんに罹患する可能性もあるのです。

保険業界を代表して

ということで。

がん保険が必要か不必要かは個人の価値観次第です(笑)

大江さんも山崎さんもワタシも、自身の体験に基づく事実と感想に過ぎません。

1つの参考にはなるとは思いますが最終判断はあくまでその方本人の状況や価値観に基づいた意志次第だと思うのです。

少なくともワタシはその方が置かれている状況や価値観によって要不要が決まると思っていますし、実際ワタシはお客さまから相談をされた時にもそう伝えています(決して誰にでも必要なものとしてゴリ押しはしません)。

ただ今回敢えてこのテーマを取り上げたのは。

著名な経済評論家の方ががん保険不要論を展開される中、誰もその主張に反論しなければ一般生活者の方々は「なんだ、がん保険はいらないんだ」と思われ、検討のテーブルから外されたり、今加入されている保険を解約される可能性もあるのではないかと思ったからです。

更に。

保険業界に身を置く若者がお二方の記事を読み、安直にがん保険の提案をやめたり、世間に不必要な保険商品を無理やり売るような仕事から足を洗おうと決断されたりすることを危惧したからです。

30年以上保険に携わっていると、がん保険に限らず、生命保険も不要と思われて解約された直後に死亡され、遺された家族が路頭に迷われた事例も知っていますし、保険金や給付金をお支払いすることで、ご本人やご遺族から泣いて感謝されたことも一度や二度ではありません。

つまり。

生命保険業界を代表して「がん保険不要論」に対してちゃんと向き合って反論しておく必要を感じたのです(笑)

これは。

保険加入の是非を検討される一般生活者の皆さまへのメッセージでもありますが。

むしろ。

保険業界で日々保険営業に明け暮れる募集人の方々に向けたメッセージです。

もちろん。

亡くなられたお二方の人格や功績を批判するつもりは毛頭ありません。

ワタシよりもはるかに著名で頭脳明晰な方々が実体験と信念に基づき展開されてきた持論を尊重しつつ。

この業界で30数年生かされてきて、保険商品や保険販売に携わる志事に使命感を持っている立場として敢えて持論を展開させていただいた次第です。

 

保険業界の皆さん。

 

くじけてはいけません。

動きを止めてはいけません。

ワタシタチの志事は家庭や会社に不測の事態が発生したときに、経済的安心を提供する極めて価値ある職業です。

これからも自身と誇りを持ってお客様としっかり向き合い、最適な保険提案をし続けてください。

トリャーーーーーーーーー!!!!(最後は意味不明・・)

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