2月になって初めての投稿です。寒い日が続いていましたが皆さんはコロナとかインフルとかには罹患されてませんか?
因みにワタスは・・・なぜか元気です(笑)。
実は、2月はワタシにとっての記念月。え?何の記念月かって?それは・・・保険業界に足を踏み入れた記念月なのです。
今から33年程前の2月に某カタカナ生保のフルコミ募集人として転職をしたのです。それまでは某大手流通グループのスポーツ用品の全国チェーンを展開する会社でバイヤー職をしていました。転職した一番の目的はお金です(笑)。安月給のサラリーマンで一生を終えたくなく、完全歩合制の保険営業でどこまでやれるかを試してみたかったのですよ。
はっきりいって、当初はお金を稼ぐための「手段」として保険を売る仕事を選んだのです。当時はまさか自分がこの業界に30年以上いるなんて想像もしていませんでした(笑)。それが調子に乗って?営業所長になり、支社長になり、更に起業して社長になり、会社は全国展開する老舗的乗合代理店を中核事業とする社員数350名を超える企業になりました。
当時の決断がなければもちろん今は無く、もちろん会社も無く、縁があって入社してくれた社員も無く、社内結婚してできたお子さんもいなかったんだと思うと・・・2月という月は、ワタシにとってかなり感慨深い月なのです。
保険業界に転職した当時の体験は「実録風。ザ・購買エージェントへの道」という小説にしたためていますので、ご興味あるかたはこちらからお読みください→https://www.holos.jp/holo-style/2017/01/08/koubai00/
2001年にその保険会社の支社長職を辞して1人で起業したのですが、当時のコンセプトは「乗合保険代理店の全国展開規模拡大モデル」。いちプレイヤーとして地域密着で保険営業しながら顧客拡大していくという発想はありませんでした。
その理由のひとつは、新卒で働いた会社が「流通革命」を旗印にメーカーより力のある小売業を作り上げた会社だったことです。これからはメーカーよりも顧客に最も近い小売業が大きくなって、顧客ニーズを反映したうえで業界の「イニシアチブ」を取る時代が来る・・・という考え方を金融保険業界でも実現していこうと思ったのですよ。
もちろん保険会社への影響力が大きくなれば、同じ保険を売っても代理店手数料率が上がるのでその分売上も大きくなり、保険会社とのノルマも気にしなくていいようになるので・・・募集人も集めやすくなるわけですから、「組織拡大」は保険代理店を成長させていく上では外すことができない戦略だと信じて疑わずに営業展開をしてきたわけです。
もちろんそのコンセプトは今も変わらず規模拡大に勤しんでいるわけですが・・・
実は、先日の遠藤元金融庁長官とのセミナーのアンケート結果で、ワタシが規模拡大を推奨している(?)ことを批判的に受け止められている代理店経営者が数名いらっしゃいました。恐らく地域密着型で地元のお客様に貢献されていらっしゃる方だと推測されます。
セミナーでも遠藤先生が損保代理店がメーカー主導で廃業に追い込まれていることが国会で取り上げられたことを話され、「小さくても地場で貢献されている代理店にも価値がある」という発言をされたことも「我が意を得たり」的に共感されたのだと思います。
あ、もちろんそれに対してワタシが異を唱える気持ちは毛頭ありません(笑)
地域密着で質の高いサービスを提供されている代理店さんは、質の低い規模拡大モデルよりも断然に素晴らしい営業戦略だと思っています。あくまでその前提で、それでもワタシが規模拡大の手を緩めない理由は何かというと、それは・・・経営者としてのエゴです(笑)
ダイエーの中内さん、ユニクロの柳井さん、ニトリの似鳥さんがあそこまで大きくなったのは、やはり業界のリーディングカンパニーを目指すとか、業界ナンバー1を目指すとか、そういう「大義」と「エゴ」が交錯したような思いが・・・多分にあったかと思うんですよね。どうでもいいことですが、恋愛ですら心理学的に分析すれば「エゴ」と「性欲」の統合に過ぎません(笑)
ただ、もっともらしく規模拡大をすることを顧客本位的に表現するとすれば・・・
乗合代理店の価値はたくさんの保険会社の商品群から最適な商品を顧客に提案できることにあります。理論的には1社より3社、3社より10社、10社より20社と多い方が、その選択肢は広がるということです。
なので、競争力のある保険会社との委託契約を交わすことと、その契約を維持し続ける販売力が必要になります。
巷では「手数料率を下げられるので〇〇会社の商品をあといくら売らないといけない」ということで、募集人に発破をかける代理店さんもあると聞きます。もし、このようなことが社内で行われていると比較推奨を歪める蓋然性が高まります(つまり顧客本位ではなく自社の手数料維持のために当該商品を薦める)。
もちろん手数料が下がっても動じず、本当に顧客ニーズに即した商品だけを薦めるように指導されていれば全く問題はありません。ただ、その結果として委託契約解消となってはそのお客様との関係が絶たれてしまう可能性がありますので、それはそれで問題です。
また、企業は永続性が求められます。特に保険は数十年先に訪れる「お客様との約束」を果たす仕事ですから、長期に渡る事業の存続が使命といっても過言ではありません。
そのためには、未来への投資や有能な人材の確保・・・つまりその原資となる「利益」が必要です。事業承継含め、その事業を引き継ぎたいと思える後継者や、有能な社員を引き留める「魅力」も必要です。
訪問型代理店はフルコミッション制が多く、募集人に手数料をかなりの比率で出しますから【利益が残りにくい】体質になりやすく、やはり一定規模にて保険会社から払われる手数料率を最大にしておくに越したことはありません。そのためにも基本手数料(規模)と品質手数料の基準をクリアしておくことが必要になるわけです。この品質手数料をクリアするためにはそれなりのコスト(人やシステム投資)がかかりますのでそれ以上の収益を出すサイクルを回せるかが問われるわけです。
つまり、お客様のために「利益」と「魅力」が必要で、そのためにも一定以上の「規模」は必要だと思うのです。
そういう意味では、10拠点の全国展開で100人の規模にするなら、1拠点の地域密着で100人にする方が、より効率的で品質の高いサービスが提供できるのではないでしょうか。今ではリモートが当たり前になりつつありますので、遠隔地のお客様でもほぼ問題無いような気がします。
そんなこんなで結論としては・・・顧客本位追求が前提であれば【地域密着】でも【全国展開】でもどっちでもいーということじゃないですかね。あとは経営者の価値観次第だと思います。まー、弊社は基本「品質を担保」しながら「おもしろさ」と「規模」を追求するという、創業当初からのコンセプトをぶらさず事業に邁進するつもりです。
それが顧客本位の皮をかぶったエゴと思われるかもしれませんが、利己と利他の比率は49:51なら、それで良しと自分で納得しております(笑)
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