先週から日本列島は大寒波に覆われていました。
我が街、京都でもJRが運転を停止し乗客が最大10時間も車内に閉じ込められるというアクシデントがありました。このニュースを見た時ワタスの脳裏をよぎったのは、「え?閉じ込められたヒトタチはトイレどうされたんやろ・・・」です。
なぜならワタスは・・・頻尿野郎だからです(涙)。よって、大寒波襲来時には在来線に乗らないことを心に誓いました(笑)。
実は、このタイミングでワタスも絶対穴を開けられないセミナーがあったので、東京に行く必要がありました。元々は当日入りを予定していたのですが、念のため前入りすることに。その判断が功を奏し、無事セミナーに登壇できたのですが、もし元の予定のままなら家から京都駅までの移動手段がなく、新幹線も遅れが出ていたので・・・恐らく辿り着くことはできなかったでしょう。
当日の家の前↑
そして、その絶対穴を開けられないセミナーとは・・・遠藤元金融庁長官をゲストに迎えたホケンブリア神殿の新春特別企画でした。
ホケンブリア神殿とは保険業界における「神」をゲストに迎えてトークセッションをおこなうセミナーです。今では、保険業界でこの番組シリーズを知らない人はいません(ウソ)。
今までのゲストは「保険業界のトップ代理店経営者」や「トップセールス」を迎えての企画でした。そこに今回はなんと!保険業界を飛び越えた、元金融庁長官の遠藤俊英さんを招聘しての開催が実現したのですよ。
ワタシたち金融業界で生業を立てている者は、金融庁の監督下にあります。不祥事案が発覚すれば行政処分を受ける立場ですから、一般的には大変怖い存在なわけです。
ただでさえ敷居が高い監督官庁のなかのトップオブトップである金融庁長官といえば、それはもう雲の上の上の上の存在。どれだけ上かというと・・・大気圏を超えて、宇宙に飛び出し月まで行って、月面宙返りをしてその勢いでハイスピードで地球に戻り、地面を貫き通してマグマの灼熱地獄に突入し、あの世の世界の入口で閻魔大王様が現れ、舌を引っこ抜かれる恐怖におののく程、怖い怖い存在なわけです(あくまで個人的価値観です・・・)。
そんな「神」というより「閻魔大王様」に近い存在だった元金融庁長官をゲストに迎えることができる日が来るとは夢にも思っていませんでした。それを今回は「乗合保険代理店の健全な発展のため」というワタシの熱い想いに共感いただき、視聴者には無料で情報提供する大盤振る舞いで、オファーをお引き受けいただいたのです。
今回のセミナーは遠藤先生単独での講演ではなく、「これからの保険代理店経営とは」というテーマでワタシとのトークセッションを行いました。また、そのなかで「顧客本位を考える上でのヒント・組織のカルチャー、ガバナンス ~利他と利己~」というタイトルのレクチャーをしていただいたのですが、この講演がめちゃくちゃ心に刺さりました。
なぜなら、我々金融事業者は「顧客本位の業務運営」と「利益の追求」という狭間のなかで、それなりの葛藤を抱えているからです。講演の一部を抜粋すると、書籍「逆説の法則」(西成 活裕著)から引用され・・・
・利己と利他は相反する概念だが紙一重。
・経営は少しだけ利己より利他を多くする。
→(例えば51:49で少しだけ利他が勝つのが商売の鉄則)。
・長期だけでなく、同時にバランスよく短期戦略も併せもつ。
・長期をにらみつつ、やはり明日の食事代をかせがなくてはならない。
・さらに、もうけだけ追うのではなく、社会的に責任を持つ。
・つまり、利己と利他の融合を目指す。
・企業経営において、最も重要なことは、「利益」ではなく「永続性」。
・一番参考になるのは「自然」。
・「準最適」、「そこそこ」の効率性こそ変化に強い。
更に「思いがけず利他」 中島岳志著からの引用では、
・利他とは「とっさに」「ふいに」「つい」「思いがけず」行ったこと
→(「身(しん)が動く」)>が他者に受け取られ、利他と認識されたときに起動する。
・その行為が利他的であるか否かは行為者本人は決められない。
→利他という現象は「いま・現在」の行為(「身が動く」)が、受け手によって利他として意味づけられた未来において起動する。
ここでは網羅的にしかお伝え出来ないので詳細は割愛しますが、金融庁のイメージは・・・管理監督、ルール、ガバナンスといった、かなり固くて「左脳的な思考」でのマネジメントをされてきたのではないかと想像してしまいがちですが、遠藤先生から出てくる言葉はむしろパーパス、ビジョン、心理的安全性、1ON1等の「右脳的な思考」と「実践」を重要視されていることに感銘を受けました。
ざっくりまとめてしまうと、顧客本位の本質は利他の心だということです(笑)
フィデューシャリー・デューティー(FD)は一般的には「受託者責任」や「信認義務」などと訳されています。英国政府から依頼を受けたジョン・ケイ教授はfiduciary standardsとして、下記3点を求めました。
1)顧客の利益を最優先すること
2)利益相反状態を避けるべきこと
3)提供するサービスに対するコストが合理的であり、かつ、開示されるべきであること
このフィデューシャリー・デューティー(FD)という言葉を日本的解釈にしたのが「顧客本位の業務運営」です。
一般的にこのFDが求められる職業は何かというと、「医師」「弁護士」そして、「金融事業者」です。この三業者の共通点は何かといいますと・・・それは顧客(クライアント)との情報の非対称性の大きさです。
つまり、専門性の極めて高い事業者とクライアントの知識格差が大きく、事業者側が自らの利益を優先した提案が出来得る立場であるが故に、自らの職業倫理に基づき「顧客本位」の姿勢を貫くことを表明する、ということが社会から求められているのです。
この三事業者は、命に対する不安(医師)や人的経済的トラブルに対する不安(弁護士)、命の次に大事な?お金に対する不安(金融事業者)を抱え、一般生活者に貢献することが「社会的使命」であるという誇りを持つことが必要です。
つまり、顧客の利益を最優先することが「顧客本位の本質」であるということを肝に銘じて直観的な行動をする(右脳)ことが利他であり、そこに打算的思考(左脳)が働くとつい利己が優先してしまうということです。
左脳と右脳のバランスは、仕事だけでなく人生全般に気をつけていきたいことろです。
経営者を長くしていると24時間左脳が働いている自分がいます。それはそれで悪いわけではありませんが、たまには左脳を止めて自然の中に身を置いたり、美しい絵画を鑑賞したり、音楽を聴いたりしながら真善美の世界に浸り、右脳優位の生活を取り入れたことで思いがけず(直観的)利他の行動が身に付くかもしれません。
今日は、これからLPレコードを身体に浴びようと思います(笑)。
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