告白。実はワタス、癌宣告を受けました。vol.8
告白。実はワタス、癌宣告を受けました。vol.8

前回の振り返り

雨音に気づいて早く起きた朝はまだベットの中で存分眠りたいと思いつつ最近は免疫力を上げるために22時台には寝るようにしているのでそのまま起きてブログを書いている入梅の京都@マッキーホリイです(出だしはユーミンの「12月の雨」の替え歌風で・・)

今週10日には600人を超える方々にエントリー頂いた伝説の?オンラインセミナーも無事好評のうちに終えることができました。主催してくれた名案企画のツッチーの計らいで、アンケートの最後にワタスへの励ましのメッセージを募っていただいたところ、数百名の方々から心温まるメッセージをいただきました。丁寧に感想を打ち込んでいただけるのもオンラインならではのメリットですね。初めて私のことを知った人、初めて私が末期ガンだと知った人もたくさんいらっしゃいましたが、皆さんからのメッセージは私にとってはお金には代えられない「活きる気力」を与えてくれました。この場を借りまして心より御礼申し上げます。

昔から早起きは三文の徳といいますが、ニューズウィーク日本版を読んでいたら興味深い記事を見つけました↓

「日本の未婚男性は長生きしないのに、女性は既婚より未婚の方が長生きする不思議https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/06/post-93638_1.php

内容は読んで字の如くですが、「未婚男性は早死にし、未婚女性は長生きする」というデータです。(以下抜粋)

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「山型のノーマル分布では、最も多いのは60代後半で、中央値(累積%=50)もこの階級に含まれ、按分比例を使って死亡年齢の中央値を出すと66.3歳。平均寿命が80歳を超えていることを考慮すれば、これはいかにも短く、有配偶男性の死亡年齢中央値は81.3歳で、未婚男性より15年も長い。標準から外れているのは後者で、未婚男性は早死にすることを強調しないといけない。食生活をはじめとした生活習慣が乱れやすいのが大きいだろう。」と。そういえば最近死んだ実兄も独身(バツイチ)で享年66歳でした。

更に。

「女性の死亡年齢中央値を出すと、未婚者が81.9歳、有配偶者が78.3歳となる。男性では未婚者の方が明らかに早死にするが、女性はその逆だ。男女で傾向が反転するのは興味深い。

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女性にとって結婚が重荷になる理由はいくつか考えられる。まずは出産による身体への負荷で、近年は晩産化もありその度合いが強まっている。夫の家事分担率が低く、既婚女性の日々のストレスは尋常ではない。出産・育児で離職を強いられたり、夫の転勤のたびにキャリアや人間関係をリセットされたりするのも苦痛だ。家庭生活の負荷が女性に偏っている現状を変えるべきで、コロナで在宅勤務が増えてる今は、そのいい機会だ。」と。

この記事を見て思ったことは。

目下ワタスは末期がん真っ只中ではあるけれど有配偶者なので恐らく絶対何としてでも長生きするけれども、その配偶者の方(要するに妻)は、コロナ禍に加えてワタスのガン禍による在宅率100%、三食自炊率100%によるストレスで早死にする確率が高いということです。恐らく世の中の主婦さんたち(特に子供の手の離れた)は、夫の在宅勤務に心の底から反対されているのではないでしょうか(笑)奥さんに早死にしてほしくない旦那連中は、これを機に家事分担率を上げることを本気で検討した方がよさそうです(自分に言い聞かせています・・)

ところで。

前回は、気管支鏡検査の話しでした。リング上(検査室)ではボコボコにやられ、ギブアップしてもスルーされ3回くらい死にかけました(笑)そしてそのままリング外に引きずれ降ろされ、車椅子に乗せられて救急室に運ばれていくところまで。

告白。実はワタス、癌宣告を受けました。vol.7

今回はその続き、vol.8の始まりです。

予期せぬ偶発症の発生か

「気管支鏡で細胞を採取しようとすれば、血が出てその先が見えなくなるので中々採取できない」というのが一般的なのか技術が未熟なのかはわからないが、そう素直にディスクローズしてくれた青年医師?に車椅子を押されながらエレベーターに乗り、階下にあるベッドが設置されている診察室に運ばれた。軽い麻酔を投与されているので2時間程はここで安静にしておくらしい。

車椅子を降りてベットに横たわるとすぐに看護師さんが来た。

「念のため血圧と血流と心電図を測りますね。」

「はい。」

 

「血圧、ちょっと低いですね・・」

上が80代だった。

「え?心拍数も高い・・」

看護師の様子が明らかに変わった。数値を見ると180くらいはあった。

「ちょっとベットを移動してもらいますね。」

すぐに部屋を別室に移動させられた。そこですぐに心電図を装着されると、ピ、ピ、ピ、ピという心電図から発せられる心臓音がその部屋に鳴り響いた。看護師がどこかに電話をかけている。恐らく気管支鏡検査を終えたクライアントの様子がおかしいと電話をしているのだろう。間もなく心拍数を下げるための点滴が投与された。すぐに件の青年医師が飛んできて看護師さんと何か会話をしている。その後にその先輩女医さんもやってきて、

「堀井さん、大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫です。たまにあるんです。昔から心拍数が上がることが。空腹時に激しい運動したりすると。今回もそんな感じかもしれません。」

しばらくすると循環器の専門医らしき先生が来た。この辺りはさすが総合病院だ。再度その専門医に昔からたまにあることを報告した。これは学生時代にもあったし、最近では加圧トレーニング中になることもあった。けれども心電図で異常を指摘されたことは無かった。ただ、今回がそれを同様のことなのかは判断できなかったので、気管支鏡検査の影響で何か偶発的な症状が現れたのかどうかが少し心配ではあった。

「これは恐らく心臓の弁を動かすための電気信号が上手く機能せず血液がちゃんと一方通行で運ばれていない状態ですね。ちょっと息を止めて力いれてください。」

この治し方は心当たりがあった。いつもこの状態になった時は安静にして、深呼吸しながらタイミングを合わすことで元に戻ることが多い。その中で、自分の中でも色々試しながら治す方法の1つだからだ。お腹が空いている時は何かを食べることで治ることもあるし、大体は5分以内には治ることが多い。

「場合によっては手術を勧めます。医学的にはカテーテルを入れて異常な部分を小さく焼き切ります。」

え・・手術・・まさか、今からするんやないやろな。いつもほっといたら治るんやけど・・と思いつつ心拍数が収まらずに結構時間が経っている。間もなく1本の点滴では収まらず、追加の点滴が始まった。心電図から発せられる電子音は早いままだ。

このまま収まらんかったら今日はここで泊まることになるんやろか・・

もう診療時間が終わっているようで、この部屋には当直予定の看護師さんが1人いるだけになっていた。そして2時間程が経過しただろうか。ようやく心拍数が戻った。推測するに、朝から絶食していたことに加えて、あまりにも激しい刺激を体内に加えられて心臓の電気信号が狂ってしまったのだろう。ここまで心拍数が早いまま収まらないのは初めてだった。

後に検索して「ごくまれですが、ここには記載していない合併症、予期しない偶発症が発生したり、死亡例(0.004%)の報告もあります。」と書かれていたのを見て、改めて「0.004%に入らんで良かったわ」と安堵した。

遂に確定診断の時

4月6日。その後3月30日に提携している京都駅前の病院でPET検査、MRI検査を済ませた僕は、その結果を聞きに病院に訪れていた。いつもの13号室だ。

「堀井さん、結果はガンです。」

もはや驚きは無かった。PCの画面にはPET検査の画像が映し出されていた。

「既に肺以外にも転移しています。こことここ、ここにも。」

主治医は、PETの画像を見た上で面談表に決して綺麗ではない字で書きながら説明を始めた。

「肺だけでなく、心臓の周りのリンパ節、骨、右副腎にも転移しています。」

確かにPETの画像ではその部分が不気味に光っていた。けれども意外にも僕はその事実を冷静に受け止めていた。先日に妖しいお寺の住職に、「あんたはこんなことでは死なん。改めて〇〇病院でガンて言われても動揺せんと、「そうですか」と言ったらえーねん」と言われていたからかもしれない。気管支鏡検査で悶絶したお陰で生命力が活性化していたせいかもしれない。とにかく転移と聞いても動揺はしなかった。ただ、一つだけ気になることがあった。それは脳転移だ。

「先生、MRIの結果はどうだったんですか?」

「脳の転移はありませんでした。」

良し!これは心の中でガッツポーズだった。今はまだ働いてくれている思考力が脳転移によって喪失することを一番恐れていたからだ。

これから5年生存率4.8%への挑戦が始まる。これからの治療がどのようなものになるのか。入院期間はどれくらいか、抗がん剤の副作用はどの程度あるのか・・それによって今の仕事をどうしていけばいいのか。一番の心配は、これまでずっと仕事中心の人生を送ってきた僕自身が、生きるためにこの治療というものに本気で取り組んだ時、人生そのものの活き方、価値観自体を見直す必要があるということだった。

診断は既に確定した。僕はその流れで主治医が話し始める治療方針に身構えた。

~続く~

「活き方」についての個人的価値観

社会人になってかれこれ40年が経ちます。思い起こせばサラリーマンとして10年、個人事業主として10年、そして起業してからの20年、ずっと仕事中心の生活をしていました。

サラリーマンの頃はまさにリゲインのCMの如く「24時間働けますか?」と終電ギリギリまで働くことが美徳のように思われていた時代です。完全歩合の保険営業の世界では「売らないと食えない」という環境の中、「こんな時間に家に帰ったら死ぬ」という恐怖感から一人でも多くの見込み客に会うことを心がけ、マネージャーになってからも、ここで先に家に帰ったらそんな気持ちではたらいているプランナーに申し訳ないと最後まで帰りを見届けていました。そして起業してからの20年は、会社を維持成長させるがために自己資金以上のお金を会社に投入しながら、自身で使えるリソースの大半を仕事に使ってきたつもりです。

もちろんその間、局面的に辛かったことはありますが、基本これまでの活き方に後悔はありません。それが新型コロナウィルスによる緊急事態宣言に追い打ちをかけるような末期ガン宣告は自身にとっては余りにも衝撃的な出来事でした。

未来のことは誰にもわかりませんが、コロナウィルスの脅威による人類の様々な価値観の変化が、過去の「当り前」を消滅させるように、更に末期ガン宣告を受けた私も、様々な価値観の変化を感じています(この話はまた追い追い・・)

今世界中の人々がコロナウィルスに罹患されて亡くなっています。不幸にも亡くなった方々はさぞかし無念でしょうし、その家族も哀しみ暮れていらっしゃることと思います。その方々に哀悼の意を捧げることはもちろんですし、その二の舞にならないように人類は英知を結集し、個々は自覚を持った行動をしていく必要はあります。しかし、この人類を震撼させている出来事も、もう少し大きな目で俯瞰すれば、大きな気付きが得られたこともあるのではないでしょうか。

人がちょっと動きを止めただけで、たちまち大気はきれいになり、ヒマラヤ山脈がカトマンズやインドから見えるようになったと驚きの声が上がってます。

 

川も海もきれいになり、人間にとって住みやすい環境が出現しています。これにより今まで人間の活動がいかに地球環境を破壊してきたか多くの人が気付きました。コロナウィルスが人間を蝕むように、人間は大自然を蝕んできたのです。そのことに気づけなかった人たちも、自分たちが母なる大地の病原体だった事実を突きつけられたのです。危機的な状況の中にあればあるほど、お金や慣習や予定調和の社会よりも大切なものがあると気づかれた人も多いのかもしれません(一部天外伺朗さんのメルマガから抜粋)

この価値観に例えれば、体内にできたガン細胞は、地球上の人間のようにも思えます。鉱物や植物や動物など大自然全体のことに配慮せず、あまりにも利己的に増殖したことにコロナウィルスが警鐘を鳴らし、価値観を変えようとしているのだとすると、ガン細胞は人体という小宇宙の中で利己的に増殖し、最後は生息している母体を死に追いやって自分も消滅するのです。

人間も大自然の一部だと自覚したときに地球と共生できるのと同様に、ガン細胞も自身の一部だということを自覚し、共生を模索したときに母体(人体)は活性化するのではないかと思うのです。ではガンに人間と同じように気付きを与えるウィルスという起爆剤は何なのでしょうか。少し矛盾するかもしれませんが、それはガンになったという現実に対する自身の意識ではないかと思うのです。60兆の細胞は一定期間のうちにすべて生まれ変わります。変異したガン細胞も元は正常細胞であり、何かのきっかけを与えることで正常細胞のようにアポトーシス(細胞の自然死)してくれるのではないでしょうか(もちろん医学的根拠はありません)。

自分の中にできたガン細胞は宇宙の中の自分自身。

だから自身の価値観や活き方を変え、行動を変えれば人体(宇宙)と共生できるのです(もちろん知らんけど・・)

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